【高校野球】東北高に現れた新たな“ダル2世”ハッブス大起は2年後ドラフト1位の逸材か

東北高のハッブス大起(右)は、元ヤクルトの増渕さんが塾長を務める上尾ベースボールアカデミーで指導を受けた(増渕さん提供)
東北高のハッブス大起(右)は、元ヤクルトの増渕さんが塾長を務める上尾ベースボールアカデミーで指導を受けた(増渕さん提供)
東北高のハッブス大起はOBのダルビッシュも背負った11番をつける
東北高のハッブス大起はOBのダルビッシュも背負った11番をつける

 優勝候補・仙台育英が4回戦で仙台商に敗れるなど、波乱が続く今夏の宮城大会。22度の甲子園出場を誇る東北高も、準々決勝で古川学園にサヨナラで散ったが、敗戦の中でも2番手で4回1/3を無失点に抑え、存在感を放つ投手がいた。名前はハッブス大起(たいき、1年)。OBで米大リーグ・パドレスでも活躍中のダルビッシュ有も1年時につけた背番号「11」を受け継ぐ逸材だ。初戦となった名取北戦では最速140キロの速球に落差のあるフォークを駆使し、2回無失点の好投を見せた。今夏は計2戦の登板ながら、防御率0・00。聖地行きの切符には手が届かなかったが、インパクトは残した。

 米国人の父を持ち、右投げ右打ち。185センチの高身長、甘いマスク。左足を高く上げるダイナミックなフォームも偉大な先輩と重なる。小4で野球を始め、小6では120キロに迫る速球を武器にスワローズジュニアに選出された。

 中学時代は上尾シニアに在籍し、全国大会も経験した。埼玉県内の甲子園優勝校をはじめ、関東の強豪校から誘いもあったが、東北高の門をたたいた。父・チャーリーさん(51)は、富沢監督の指導方針が本人とマッチしたと進学の経緯を明かしている。中学では埼玉・上尾シニアと同じく通っていたのが、ヤクルト、日本ハムで活躍した増渕竜義さん(33)が開講し、塾長を務める「上尾ベースボールアカデミー」だった。

 増渕さんは中学1年から3年間、ハッブスを指導した。入校当初に抱いたハッブスの印象は「“いい意味で”変わっていた」と笑い混じりに振り返り、こう続けた。「最近の子供はどこか物静かな子が多い。でも、ハッブスは周りの子に自分から話しかけて、すぐに友達をつくっていたんですよね」

 高いコミュニケーション能力に加えて、実力も備わっていた。「身体能力も高くて、球も速い。ボールも何度も受けましたけど、球威はズバ抜けていました。中3の時には140キロくらい出ていた。粗削りでしたけど、筋力をつけていけば、まだまだ球は速くなるなと。自分の中学時代よりも全然すごかったですよ」。

 2006年の高校生ドラフト1巡目でプロ入りし、通算15勝を挙げた増渕さんは、自身の経験を踏まえてハッブスの持つ可能性について語ってくれた。「彼は『THE・ポジティブ人間』です。きつい練習の時も『しんどそうな顔をしていても仕方がない』とばかりに常に明るい表情でした。試合で打たれても、『相手がよく打ったな』と言えるような前向きな性格だった。プロは気持ちの切り替えが本当に大事なんです。悩んでしまったら、相手打者とではなく、自分との戦いになってしまうので。そういう意味では彼はプロ向きの性格ですね」

 太鼓判を押す口調に熱がこもっていたのは、大きな伸びしろがあることを知っているからだろう。実際に、試合終盤まで接戦だった名取北戦では自身がベンチに下がった後も大声を出し、グラウンドに立つ先輩たちを鼓舞。ピンチを抑えると誰よりも先にベンチ前で仲間を迎える姿が印象的だった。

 既にNPBのスカウトの間では「(ドラフトにかかる)2年後が楽しみ」「(1位指名の)可能性はあるでしょう」との声も挙がる。全国的にはまだ無名の存在だが、話題先行だけではないと見た。高校野球ファンには、みちのくに現れた新星が描く“成長曲線”に是非とも注目してもらいたい。(東北支局・長井 毅)

東北高のハッブス大起(右)は、元ヤクルトの増渕さんが塾長を務める上尾ベースボールアカデミーで指導を受けた(増渕さん提供)
東北高のハッブス大起はOBのダルビッシュも背負った11番をつける
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