五輪初出場の渥美万奈と山崎早紀に常葉菊川高の恩師がエール「『和と動」を胸に食い残すな」

スポーツ報知
日本代表のクリーンアップが期待される山崎(トヨタ自動車提供)

 東京五輪のソフトボール女子日本代表は21日、オーストラリアとの初戦(午前9時、福島あづま球場)を迎える。23日の開会式に先立って全競技で最初に開幕する。静岡・常葉菊川高(現常葉大菊川高)出身の渥美万奈遊撃手(32)と山崎早紀外野手(29)=ともにトヨタ自動車=が、初の五輪に臨む。2人の高校時代にソフトボール部監督として指導した大矢隆二さん(53)=国学院大教授=が当時を振り返りながら、教え子にエールを送った。

 ―教え子たちが五輪に出場します。

 「本当にうれしいです。2人には発表後、すぐに電話しました。それぞれ5分くらいの会話だったのですが、浮かれた様子は一切無かった。努力で代表を勝ち取った2人なので『東京五輪』という空間を楽しみ、存分に味わって欲しい」

 ―渥美選手は5年間、日本代表の正遊撃手として活躍し、昨季の日本リーグでは無失策の堅守で知られている。宇津木麗華監督(58)も「守備の要」と語っています。当時の印象は?

 「すごく合理的で『社会人の選手がいる』感じでした(笑い)。入学時から高校球児のようなグラブさばきでしたし、グラブの磨き方一つから丁寧で、格好良かった。特進クラスに所属していて、勉強だけでも十分、大学に行けるレベルでした(高校卒業後にトヨタ自動車入り)。3年生の時は主将で後輩たちは『渥美さんみたいになりたい』と思っていたのでは」

 ―山崎選手は20年日本リーグでMVP、首位打者、打点王を獲得した長距離砲で、日本代表でもクリーンアップとして活躍しています。当時の山崎選手は?

 「身体能力がすごく高かった。実は、中学時に最初は走り幅跳びの選手として陸上部の先生が視察していたんです。スイングも速かったのですが、バットコントロールなど技術的にはまだ粗削りで、お姉さん(1学年上の奈美佳さん)に付いて行っている感じでした。ただ、素直で、教えられたことを物にするものにしようと一生懸命でした」

 ―どのようなご指導を?

 「私は東海大相模(神奈川)の野球部出身で、亡くなられた原貢先生に大きな影響を受けています。原先生に教えていただいたことを基盤に、現代の子たちに合うようにアレンジしました」

 ―原先生の教えとは?

 「大きく分けて『一流選手になるには当たり前のことを当たり前に』『学内と地元に愛されるチームに』『日本一になるのにふさわしいように』の3つです。『和と動』(※)という原先生から教えてもらった言葉をタイトルにして、選手に日誌を書かせていました」

 ―2人が書いた「和と動」日誌で思い出す内容は?

 「私は大会前に気合を入れた練習をしてけが人が出てしまうこともあったのですが、ある日、渥美が『先生は大会前になると激しい練習をしますよね』と書いてきました(笑い)。思い当たる部分があったので、本人と話して理解してもらった。それぐらい賢い子なんですよ」

 ―五輪で2人に期待することは?

 「メダルを目指すのはもちろんですが、2人にとって初めての五輪を、悔いのないようにプレーをしてほしい。ソフトボールのチケットを持っていたので、無観客は残念ですが、テレビで見守りたいと思います」(内田 拓希)

 ※原貢さんが発案した言葉で、19年からプロ野球・巨人のスローガンに採用。巨人軍公式サイトによれば「『和』はチームワークやチームを愛する心、『動』は個々のパフォーマンス」の意があるとしている。

 ◆渥美 万奈(あつみ・まな)1989年6月15日、浜松市生まれ。32歳。蒲小入学前に競技を始め、曳馬中、常葉菊川高(現常葉大菊川)を経て08年トヨタ自動車入り。代表初招集は12年。16年以降は代表の正遊撃手。球際に強く、華麗な守備で魅了する。16、18年世界選手権で銀。右投左打。167センチ。

 ◆山崎 早紀(やまざき・さき)1991年11月12日、掛川市生まれ。29歳。西郷小2年で競技を始める。常葉菊川(現常葉大菊川)から10年トヨタ自動車入り。16年に代表デビューし18年世界選手権は3番打者として打率2割9分6厘、2本塁打で銀メダル獲得に貢献。20年日本リーグMVP、首位打者、打点王。右投右打。170センチ。

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