◆東京五輪 サッカー男子1次リーグ 日本―南アフリカ(22日・東京スタジアム)
東京五輪に参加する南アフリカのサッカー男子代表チームで3人が新型コロナウイルス検査で陽性となり、21人が濃厚接触者と確認されたことを受け、大会組織委員会と国際サッカー連盟(FIFA)などの関係機関が19日、日本と対戦する22日の1次リーグ初戦の開催可否について調整に入った。組織委は、濃厚接触者でも試合開始前6時間以内のPCR検査で陰性なら出場を認める方針だが、感染拡大が懸念される。
日本の初戦となる南アフリカ戦の開催可否について、FIFAと大会組織委が協議に入った。この日の会見で、組織委の高谷正哲スポークスパーソンは「FIFAを含めて調整が行われる」と説明するにとどめた。FIFAは実施されなかった場合の勝敗などの取り扱いに関し「現時点ではケース・バイ・ケースとしか言えない」と回答した。
18日までにジェームズ・モニャン、カモヘロ・マーラツィ両選手と分析スタッフ1人の陽性を確認。すでに選手村外の宿泊療養施設で隔離しているが、英BBC放送電子版によれば、選手2人は高熱を出しているという。
これを受けて保健所は、南アフリカのチーム21人を濃厚接触者と認定した。18日に受けたPCR検査では全て陰性だが、全員に自室待機を求め、食事はスタッフが部屋に運ぶなどの措置を取った。21人の詳細な内訳は不明だが、大半が選手だという。
組織委は、濃厚接触者でも競技開始前6時間以内のPCR検査で陰性であれば、出場を認める方針を示している。今大会について、FIFAは試合実施には13人のエントリーが必要としている。だが22日に予定通り試合が実施された場合、濃厚接触者が多く出場することになり、サッカーは身体接触が多い競技だけに感染リスクが懸念される。
選手向けの新型コロナ対策の規則集「プレーブック」では、濃厚接触者が競技に参加するには、毎日受けるPCR検査が陰性であることや、専門家グループによる選手の健康状態についての判断、国際競技連盟の同意などが必要と規定されていた。FIFAが「6時間ルール」を認めなかった場合、最悪試合が中止になる可能性もある。
このルールは練習にも適用され、南アフリカ代表は午後5時から千葉県内で約1時間半の練習を行った。2台の専用車両で移動し、選手15人とスタッフ7人が参加。冒頭15分が公開され、ボール回しなどをこなした。練習の行き帰りとも選手らはマスクを着用した。今大会は選手登録は22人までできるが、同チームは19人で戦う予定となっている。