◆第103回全国高校野球選手権南北海道大会▽1回戦 北海4―2苫小牧中央(19日・札幌円山)
北海のプロ注目左腕・木村大成(3年)が114球を投げ9回2安打10奪三振2失点で完投、8度目の春夏連続甲子園出場に向けて発進した。
伝家の宝刀がさえた。奪った三振はすべてスライダー。相手右打者は膝元へのボールに次々と空を切り10個のうち空振りは8個だった。自身も「今季一番良かった」と納得のキレだった。許した安打は初回と7回の2本のみだった。
直球はスカウトのスピードガンで2回に150キロをマーク。自己最速を2キロ上回った。だが「自分の感覚では出ていない。本来の投球ならもっと出る。向上心を持ってやっていきたい」と貪欲。この日は9球団が視察、西武・渡辺GMは「良いピッチャーだね。(センバツから)一つひとつ球種が着実にレベルアップしている。ブレーキが効くし空振りが取れるスライダーは武器」と評価した。
チームは1、2回に2点ずつ奪い全体では9安打4得点。春は下位だった宮下朝陽主将(3年)は4番に復帰して3安打3打点と投打の軸が活躍した。次戦は20日に小樽双葉と東海大札幌の勝者と準々決勝を戦う。連投に向け木村は「センバツではスタミナがなかった。ひとつ成長した姿を2連戦で見せたい」と意気込んだ。