◆第103回全国高校野球選手権和歌山大会 ▽2回戦 智弁和歌山8―2箕島(14日・和歌山市紀三井寺)
今秋ドラフト候補の最速147キロ右腕・中西聖輝(3年)が投打に活躍し、智弁和歌山が初戦を突破した。中西は8回6安打2失点(自責1)、打っては7回に左越えソロを放った。
序盤こそつまずいたが修正力の高さを見せた。暴投からピンチを招き、初回に1点を失ったが、その裏に岡西佑弥一塁手の犠飛と渡部海捕手(ともに2年)の適時打で逆転。「野手が取り返してくれて、その流れに乗るができた」とこの日の最速143キロの直球を軸に7回まで危なげない投球を続けた。8回に押し出し四球から2点目を与えたが、中谷仁監督は「中盤の、リズムよく相手打線を打ち取ったところがゲームの流れを良くしてくれた」と評価した。
打撃では自身高校通算2本目の本塁打。真ん中高めを捉え左翼席に運んだ。それでも「あそこで喜んで緩めてはいけない」と表情を変えずホームに帰還した。
初戦から甲子園優勝4度を誇る古豪と対戦し、「初戦はどのチームでも難しい入りになるが、箕島ということで余計気合いが入った」。指揮官も「和歌山と言えば箕島という印象がある」と多少の意識はあったが、名門対決を制した。
「勝てればこの大会はそれでいい」と結果のみにこだわる中西。一戦一戦、力をつけて、夏の県4連覇(昨夏独自大会を除く)に突き進む。