◆第103回全国高校野球選手権徳島大会 ▽1回戦 池田2―0阿南高専(10日・鳴門オロナミンC)
1982年夏、83年春と甲子園を連覇した古豪・池田が開幕戦で勝利した。「阿波の金太郎2世」と呼ばれるプロ注目右腕・篠原颯斗(3年)が、5安打10三振無四死球で完封した。
持ち味の直球を軸に相手を封じ、「全体的には0でいけてよかった。80点ぐらい」と手応えを得た。初回に自己最速に1キロまで迫る148キロを計測。5回まで1安打に抑えた。7回から右足に違和感が生じ、その影響から9回は甘い球が増えた。連打で1死一、二塁とされたところで右足ふくらはぎをつり、ベンチに下がって水分を補給。切り替えて連続三振で試合を締め、人生で「初めて」という完封勝利を収めた。この日は4球団7人のスカウトが視察。ヤクルトの橿渕スカウトグループデスクは「直球の良さが目立つ投球。右の本格派になれる」と評価した。
池田のエースとして誇りを持つ。同校は「やまびこ打線」と称された強力打線と、エースの水野雄仁(現巨人スカウト部参与)を擁して、82年夏と83年春に連覇を成し遂げた。篠原も水野氏の投球を動画で研究し、体重移動の方法などを参考にする。「池田の1番は県内のどの高校よりも重たい。その背番号に恥じないようにしたい」と、強い覚悟を持って臨んでいる。
次戦は16日で、県大会2連覇中(昨年は中止で、独自大会が開催)の鳴門と対戦する。「今までで一番いい投球をしないといけない」と篠原。伝統校のエースが、徳島を沸かす投球を披露する。