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川崎・三笘薫がプレミアのブライトンに完全移籍 移籍金はA代表未経験者で最高額の3億9000万円

三笘薫
三笘薫

 東京五輪代表MF三笘薫(24)=川崎=が、イングランド・プレミアリーグのブライトンに完全移籍することが9日、分かった。移籍金は日本代表を経験していない選手としては、異例の推定300万ユーロ(約3億9000万円)。契約期間は4年で、4年総額で最大約14億円の大型契約となる見通し。今季は英国の労働許可証が発給されないため、ベルギー1部ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズに期限付き移籍することになりそうだ。

 川崎が生んだドリブラーがついに欧州へと渡る。行き先はかねて目標にしてきたプレミアリーグのブライトン。パスサッカーを志向するクラブは、三笘のドリブルでの打開力に加え、状況に応じてパスなどを使い分ける柔軟性を高く評価。三笘には欧州の10を超えるクラブが獲得に動いていたが、昨冬からいち早く関心を示してくれたブライトンへの移籍を決めた。

 契約にクラブの本気度が表れている。移籍金は国内から海外に移籍する選手としては、異例の300万ユーロ。16年夏に当時21歳だったFW浅野拓磨が広島からアーセナルに移籍した時の5億円超(推定)には及ばないが、日本代表未経験選手としては最高額となる。年俸も4年総額7億円が保証されており、出場数などの出来高を含めると、最大で14億円にも上るという。

 プレミアリーグで外国人選手がプレーするためには、英国の労働許可証が必要だが、現在は条件を満たしていない。そのため、今季は他クラブにレンタルされる。有力候補に挙がっているのが、ブライトンと提携するベルギー1部ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ。ブライトンのオーナー、トニー・ブルーム氏が18年に買収したクラブで、昨季2部で優勝を果たし、今季は1部に昇格した。関係者によれば、半分程度出場すれば労働許可証が発給される見込みで、来季はプレミアリーグでプレーする姿が見られる可能性が高い。

 三笘はかねて海外移籍を見据え、「Athlete Solution」とエージェント契約。関根圭祐氏とショーン・ノバック氏とともに、移籍先を精査してきた。関根氏はスポーツ報知の取材に対し「ノーコメントです」と話したが、否定はしなかった。

 東京五輪終了後の8月中旬にも渡欧する予定。「日本を代表してメダル獲得に貢献できるように頑張っていきたい」と話す24歳が、大会前に大きな決断を下した。

 ◆国内から海外クラブに完全移籍した選手の移籍金 16年夏にFW浅野拓磨が、広島からアーセナルに移籍した時の移籍金500万ユーロ(約5億7000万円)が最高額とされる。1998年にMF中田英寿が、平塚(現湘南)からイタリア1部ペルージャに移籍した時が330万ドル(約4億3000万)。15年夏にFW武藤嘉紀がF東京からドイツ1部マインツに移籍した時は、今回と同じ300万ユーロ(約4億円)。3選手とも移籍時には日本代表を経験しており、まだA代表に入っていない選手としては最高額となる。(金額は当時、いずれも推定)

 ◆ブライトン・アンド・ホブ・アルビオン 1901年創立。南部の海辺の街、ブライトンをホームとする。2016~17シーズンにイングランド2部で2位に入り、17~18シーズンからプレミアリーグに所属している。昨季はリーグ16位で、監督はグレアム・ポッター(46)。ベルギー代表FWトロサール、元イングランド代表MFララーナらが所属している。

 ◆ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ 1897年に設立されたブリュッセル近郊のサン=ジルをホームタウンとするクラブ。1900年代序盤には11度のリーグ優勝を果たした。63年に2部に降格して以降は低迷していたが、昨季2部で優勝。72~73シーズン以来の1部昇格を果たした。7月25日の今季開幕戦では、強豪のアンデルレヒトと対戦する。

 ◆三笘 薫(みとま・かおる)1997年5月20日、神奈川・川崎市生まれ。24歳。川崎の下部組織出身でジュニアの1期生。U―15、U―18を経て筑波大に進学。昨年に川崎に加入し、新人最多タイとなる13得点をマーク。リーグと天皇杯の2冠に貢献した。今季も20試合で8得点を挙げている。東京五輪代表としては2018年8月のアジア大会(インドネシア)などに出場。178センチ、71キロ。利き足は右。

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