◆第46回社会人野球日本選手権大会 ▽1回戦 JR四国3X―2三菱重工West(3日・ほっともっとフィールド神戸)
5大会連続16度目の日本選手権出場のJR四国(香川)が三菱重工West(兵庫)に勝利した。今秋ドラフト候補の水野達稀遊撃手が2―2で迎えた9回にサヨナラ本塁打を放った。
無我夢中で走り出し、感情を爆発させた。タイブレーク突入かと思われた9回裏。先頭で打席に立った水野は2球目を振り抜き、右翼席へ打球を運んだ。「ライトの追いかけ方から期待をして走った。入ってくれてよかった」。セカンドベースに到達する前に跳びはねてガッツポーズを決めた。
初回にも先制タイムリーを放ち、4打数3安打2打点の活躍。大舞台での勝負強さが光った。水野は「チャレンジャーの気持ちで思いっきりいけているのが要因」と自己分析。山田啓司監督も「タイブレークを覚悟していた。水野がやってくれた」と勝利の立役者をたたえた。
連続で出場している過去4大会は全て初戦敗退、最後の初戦突破は2006年大会までさかのぼるが、ついに“鬼門”突破した。「昨年11月から『仕事と野球の両立』を掲げている」と指揮官。水野は駅で切符の販売等の窓口業務をしているという。「社会人野球の良いモデル」を目指し、プロ注目遊撃手を中心にさらなる躍進を狙う。