◆Jエリートリーグ ▽グループA第4節 横浜FM4―1清水(28日・非公表)
横浜FMはホームで清水に4―1と勝利し、開幕から無傷の3連勝を飾った。序盤から敵陣に攻め込み、前半10分にFW樺山諒乃介が右クロスに合わせて先制。2―0で前半を折り返すと、後半1分、14分にDF高野遼が加点した。過去2試合はユースの選手を中心に組んできたが、天皇杯とルヴァン杯で敗退したこともあり、この日はリーグ戦で出場機会の少ないトップチームの8人が先発。センターバックが本職のMF平井駿助は初めてボランチ起用された。
新境地でも、果敢にトライし続けた。平井は「1回もやったことがない」というボランチでプレー。日頃の練習から培っているスタミナで豊富な運動量を見せると、ミスを恐れることなく鋭い縦パスを入れ、「アピールがしたかった」とシュートも3本放った。「入りは悪かったけど、(渡辺)皓太くん、後ろにさねくん(實藤友紀)や(伊藤)槙人くんもいてコーチングしてくれた。流れの中でできることもあったのでプラスに捉えたい」。試合後には充実した表情で「楽しかった」と声を弾ませた。
18歳のルーキーを後ろから大きな声で支えた實藤は「平井はサイズもあって足元(の技術)もある。前半は間で受けるところの難しさがあったけど、後半は修正しながら前を向けていた」とうなずき、「サイズのある選手がボランチをできれば彼自身のキャリアもいいものになる」と今後への期待も口にした。DF岩田智輝も今季初めてボランチに挑戦し、中盤の欠かせない戦力になりつつある。新しい選択肢を自らの武器にするため、平井は「2つできる選手ってイメージを持ってもらえるように頑張っていきたい」と意気込んだ。
指揮を執った大島秀夫監督は「積極的にプレーした結果、点数も入ったし、ある程度コントロールしてゲームを進められた。年齢関係なく成長する場、チャレンジする場、自分の価値を示す場だと話していた中で、みんなリーダーシップを持ってプレーしてくれた」と選手らをたたえた。「もっとやってほしい」と期待を込めてキャプテンマークを託した樺山についても「ハードワークして戦っていたのでとても働きには満足してる」と評価した。
試合数が限られる中、エリートリーグはコンディションや試合勘を保つために貴重な場。前日にアウェー・徳島戦(1〇0)を戦ったトップチームで暫定監督を務める松永英機氏らスタッフも駆けつけ、選手の状態を注視していた。