作曲家として都はるみ「北の宿から」や日立グループ「日立の樹」などの名曲を手掛け、俳優としてもTBS系ドラマ「寺内貫太郎一家」に主演するなどマルチに活躍した小林亜星(こばやし・あせい)さんが5月30日、心不全のため死去したことが14日、分かった。88歳だった。生涯で手掛けた楽曲は6000曲超。葬儀は近親者のみですでに執り行われ、お別れの会は予定していない。
小林亜星さんがCM曲を手掛けた各社は、思い思いの言葉で“名作曲家”の死を悼んだ。
▼日立製作所「弊社のCMソング『日立の樹』は、今では多くの方々にもお聴きいただいており、また、日立グループの顔とも言えるCMソングになりました。1973年に誕生してから約48年、長きにわたるお力添えに深く感謝いたします」
▼日本生命「1969年から2014年まで、30本以上のニッセイトータルパートナーイメージCMに楽曲(『モクセイの花』)を提供いただき、日本生命に携わるすべての人々に元気を与えていただきました。小林亜星さんのご生前のご厚意に深く感謝申し上げます」
▼積水ハウス「1970年の創立10周年に作曲していただき、当社の認知度とイメージは大きく向上しました。2010年の50周年にリニューアルし、さまざまな方が歌うCMのシリーズは今も続いており、亜星さんにも大変喜んでいただきました」
▼明治「すてきな『チェルシーの唄』の支えがあって、チェルシーも皆さんに愛される商品に育ったと思っています」
▼サントリー「小林亜星先生がつくられた名曲『夜がくる』とともに、日本のウイスキー文化は花開き、定着いたしました。先生のご功績に感謝致します」
▼メガネドラッグ「突然のご逝去の報に接し、衷心よりお悔やみ申し上げます。ご生前のご厚情に深く感謝するとともに、在りし日のお姿をしのびつつ、心からご冥福をお祈りいたします」
大関酒造は、歌手・加藤登紀子が歌う「酒は大関」を使ったCMを1970~77年ごろまで使用。2009年にはリバイバルCMが作られた。同社は「大関のCM曲といえば『酒は大関』」という声が多いことに「しみじみと覚えやすく耳に残る、亜星さんらしいメロディーが素晴らしかったところが、長年愛され続けている理由ではないでしょうか」とコメントした。