センバツV左腕と悲運の151キロ右腕の思いが交錯した招待試合

 13日に愛知・岡崎市の岡崎市民球場で愛知高野連招待試合が行われ、センバツ優勝校の東海大相模(神奈川)と同4強の中京大中京(愛知)が対戦した。

 中京大中京の先発は、プロ注目の最速151キロ右腕・畔柳亨丞(きょうすけ)投手(3年)だった。センバツでは7日間で4試合に先発し、計410球を投じた。準決勝の明豊(大分)戦で右ヒジに力が入らなくなり途中降板。目標の日本一を逃しただけに、挑戦者として強い決意で臨んでいた。

 「石田投手が先発すると聞いて、自分も先発で行きたいと思う気持ちがありました」。東海大相模のエース・石田隼都投手(3年)は、センバツの計5試合で29回1/3を無失点に抑え、大会のヒーローになっていた。

 センバツのあと、右ひじの状態の回復を促すため約40日のノースロー期間を作った。練習試合に2度登板したのみで迎えた約2か月半ぶりの公式戦。「状態は半分程度」でも、先発を任された畔柳は初回から全力で右腕を振った。思いを爆発させたのは、3番・門馬功中堅手(3年)を迎えた時だ。自己最速まで1キロ差に迫る150キロを2度計時。最後は四球を与えたが、「東海大相模で一番いい打者。ストレートで抑えたいと思いました」。3回を無安打3三振で無失点。「甲子園では(最速が)149キロだったので、合格点を与えられると思います」と振り返った。

 東海大相模の門馬敬治監督(51)は、あえてライバル意識をあおるような言葉をかけてエースをマウンドに送り出していた。「この試合は、畔柳と石田の戦いなんだぞ」―。石田は最速146キロのサウスポー。切れのある直球と変化球のコンビネーションが持ち味で、畔柳とはタイプを異にする。「相手のスコアボードの球速を見た時に、石田がどうするか。どちらがチームを勝たせることが出来るか、ということです」と思いを明かした。

 石田は冷静だった。スピードガンと勝負することなくスライダー、チェンジアップをまじえてタイミングを外し、3回を被安打1無失点。わずか29球で投げ終えた。「150キロを出せる訳ではないですし、勝負するのはバッターです。速さではなく、相手を抑えることが出来る投手が格好いいと思っていますから」と石田。その姿に門馬監督は「もう少し対抗心があってもよかったかな」と笑顔を見せて続けた。「あれが石田の良さなんです。結果を見れば、最終的に勝つ投球をしてくれたということです」

 ひじの不調を乗り越えて気持ちのこもった150キロを投じた畔柳と、クールに相手打者と対峙(たいじ)し続けた石田。センバツでは相まみえることがなかった2人の甲子園での対決を見たい思いが強くなった。

(記者コラム・浜木 俊介)

力投する中京大中京・畔柳
力投する中京大中京・畔柳

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