【プチ鹿島の本音】 党首討論 菅首相「勝負の7分」ギャップの原因とは

スポーツ報知
プチ鹿島

 まだ不思議な気分のままです。党首討論のことです。違和感ありあり。

 こう書くと「あー、菅さんが昔の五輪の思い出を突然語り出した場面でしょ?」と思われるだろう。「あからさまな時間稼ぎで酷(ひど)かったねぇ」と。確かにコロナ禍の五輪を問われているのに、57年前の五輪を詳しく説明してどうすると感じた。

 しかしどうもおかしいのである。

 あの夜、菅首相は官邸の報道陣に向かって「丁寧に説明ができたと思います」と誇らしげに語っていた。時間稼ぎをした自覚はない様子。となると本気で説明できたと思っている? その仮説でいくとヒントになる記事があった。党首討論の前にあった「首相側近は『1対1で相手を説得するのは得意だ』とも語る」(産経5月28日)という部分だ。

 もしかしたら、あの7分間は渾身(こんしん)の「説得」だったのかも。だってあそこだけ表現がやたら細かい。

 女子バレーは「回転レシーブで食いつくようにボールを拾った」と表現し、柔道のヘーシンクは「敗者である神永選手に対して敬意を払ったあの瞬間」など。おそらく周到に練り上げた文章だろう。あの7分に勝負をかけたのだ。論理ではなく情に訴えようとした。

 討論でこのやり方は有効な場合もある。しかし、実際には私を含め多くの人がポカンとしてしまった。それどころか「時間稼ぎしてる、姑息(こそく)だ!」と悪評を集めてしまった。でも本人は満足気。このギャップは一体何なのか?

 原因として考えられるのは、台本上は完璧だったとしてもプレーヤーの力量が足りない場合だ。ぶっつけ本番は無謀。日頃から人前できちんと喋(しゃべ)る訓練をするしかない。周囲は遠慮して言えないのだろうが、日本のために教えてあげるべきだ。

 それにしても理を捨てて情に訴えた上での失敗は本当にマズい。(時事芸人)

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