組織委の新型コロナ対策専門家会議 観客上限数を決める判断材料を議論「最後に説得力を持つのは専門家の助言とファクトに基づくシミュレーション」

観客上限数を議論した五輪組織委
観客上限数を議論した五輪組織委

 新型コロナ下での東京五輪・パラリンピック大会の安心、安全な開催の実施に向け、感染症対策の助言を得るために設立された組織委員会の専門家会議(ラウンドテーブル)の第3回会合が11日、開催された。6月中に決める観客数の上限の判断材料などを得るために、大会期間中のスタジアムなどでの観客の行動対応や、1都3県だけでなく国内での人流のシミュレーションなどの分析データをもとに議論した。第2回会合での選手・関係者の海外来訪者の影響は限定的で、国内の人流により感染症拡大の影響を受ける恐れがあるとの指摘を受け、「効果的な人流抑制策で大会中の感染を徹底して抑制するべき」などの意見が出た。

 組織委の中村英正統括は「観客上限の方針を固めるタイミングになっており、残る課題は国内の人流。観客の数よりも日本全体、東京全体の感染リスクをどう抑えるかが大事」と説明。観客数の上限決定に影響を与える判断材料について「最後に説得力を持つのは専門家の方々(の助言)とファクトに基づいてシミュレーションをするのが一番、安心、安全に近づく道ではないか。6月に何らかの方針を示すことになるが、その後に何が起こるかは見通せないのでいろんなケースを想定しないと安心安全な大会は開けない」と述べた。

 1都3県以外からの都内への来訪者は、チケット販売数から割り出した結果、全体の25~33%になり、ピーク時での観客数は1日21万5000人と予測。Jリーグでの感染症対策の分析をもとに観戦そのもののリスクは低いとしたが、よりリスクを低くするため対応策が必要とした。座長の岡部信彦氏(川崎市健康安全研究所長・調整会議メンバー)は「五輪があろうがなかろうがリバウンドは来るので対策はきちんとやらないといけない。描き出すシミュレーションは取っておいて、選択をしていく必要はあると伝えた」と述べた。

 東京大学医科学研究所が分析した開会式での観客の行動では換気、マスク着用、手洗いを行った場合、対策をしなかった場合と比較して感染リスクを99%低減できると指摘。サッカー・Jリーグの試合を調査してきた産業技術総合研究所では、スタジアムにおける感染予防効果のリスク評価として試合中のマスク着用率の平均は95%だったとした上で、座席間隔の確保、マスク着用と手の消毒などの対策を行った場合、開会式での感染リスクが94%削減されるという分析結果が出された。また、人流を参考にする上で、スポーツ観戦後の観客行動として、NTTグループが調査したJリーグの分析として、観戦後の直帰率が54・8%~67%、帰りに家族以外と外食した割合は全体6~8%(半分以上は2人だけで食事)だったとのデータがテーブルに並んだ。

 全競技会場の最大収容人数に対し、チケット販売済み分は平均で全体の42%となっており、五輪期間中で人出が最も増えるピーク時は7月30日と予測した。岡部座長は「五輪は多くの方が楽しみたいと思っているが、現地で観客として楽しむ今までの形は…(変わる)。テレビで楽しむ、楽しみ方の違いは提言した」と話した。

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