ナイキ1強に待った! 厚底シューズは激アツ戦国時代 アディダスとアシックスが参入で猛追

ナイキ社の厚底シューズの1つである「エア ズーム アルファフライ ネクスト%」の初代モデル(ナイキ提供)
ナイキ社の厚底シューズの1つである「エア ズーム アルファフライ ネクスト%」の初代モデル(ナイキ提供)
アディダス社の厚底シューズ「アディゼロ アディオスPRO」
アディダス社の厚底シューズ「アディゼロ アディオスPRO」
アシックス社の新作厚底シューズ「メタスピードスカイ」
アシックス社の新作厚底シューズ「メタスピードスカイ」
東京五輪のテスト大会となる「札幌チャレンジハーフマラソン」で、一斉にスタートする選手ら
東京五輪のテスト大会となる「札幌チャレンジハーフマラソン」で、一斉にスタートする選手ら

 長距離・マラソン界の常識を一変させた厚底シューズが、さらなる進化を遂げている。各社から工夫を凝らした新作が続々と発表され、世界新記録も誕生した。マラソンでは非公認ながら人類初の2時間切りを達成したエリウド・キプチョゲ(ケニア)がナイキ社製を着用するなど“1強”と思われたが、その後は戦国時代に突入。今夏の大一番は、足元からも目が離せない。

 「薄く軽く」から「厚く速く」へと常識が一変したマラソンシューズ。厚底ソールにカーボンプレートが内蔵され、その反発力が推進力を生むという構造によって、ダメージを軽減しつつ速さが実現した。昨年1月には世界陸連が競技規定を変更する事態となり、厚さは40ミリ以内に制限された。

 “厚底革命”は記録水準を大きく引き上げ、世界記録更新の一助にもなった。ナイキ社の厚底シューズにより、男子のキプチョゲは18年に2時間1分39秒、女子のブリジット・コスゲイは19年に2時間14分04秒=ともにケニア=のマラソン世界新を樹立。同社が先駆者として開発した逸品はトップアスリートから市民ランナーまで幅広い選手層に支持されているが、他メーカーも負けじと本格参戦。その差を詰めている。

 昨年12月のバレンシアハーフで57分32秒の世界新を樹立したキビウォット・カンディ(ケニア)はアディダス社を着用。内蔵されたカーボンプレートが、足の骨格に合わせた「5本指」仕様になっているのが特長だ。同モデルではペレス・ジェプチルチル(ケニア)がハーフマラソン女子単独レース世界最高となる1時間5分16秒をマークするなど好調。五輪に合わせて新モデルも発売される予定で、さらに期待がかかる。

 国内では、アシックス社が一歩先を行く。今年4月に発表された「メタスピード」シリーズは男子代表のゼーン・ロバートソン(ニュージーランド)や女子代表のサラ・ホール(米国)ら契約選手の声を数多く取り入れて完成。従来は走りを厚底シューズに合わせる傾向があり、故障のリスクとなっていた。一方、同社は高い技術力を生かし、ランニングフォームに合わせた2種類のモデルを開発。大きな歩幅を生かすストライド型、リズム良く歩数を刻むピッチ型。それぞれに適したソールの厚さや角度、カーボンプレートの配置など工夫されている。

 ニューバランス社やブルックス社、中国系メーカーも高品質なモデルを発表。ランナーたちはもちろん、その足元でも熱い戦いが繰り広げられている。(太田 涼)

 ◆日本代表の使用シューズ 男女マラソン代表6人のうち、アシックス社と契約する前田穂南(天満屋)以外はナイキ社の厚底シューズを履いている。中村匠吾(富士通)、大迫傑(ナイキ)、服部勇馬(トヨタ自動車)、一山麻緒(ワコール)、鈴木亜由子(日本郵政グループ)の5選手で、五輪でも同社製の厚底2モデルのうち、どちらかで出場する見込み。前田はここまで厚底シューズをレースでは使用しておらず薄底にこだわっている。

ナイキ社の厚底シューズの1つである「エア ズーム アルファフライ ネクスト%」の初代モデル(ナイキ提供)
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