華やかさ+芯の強さ=雪組・朝美絢の存在感

割った卵を元に戻すアダム(朝美絢)(右)の魔法に、臨時助手のジェイン(野々花ひまり)はビックリ(写真は宝塚バウホール公演)
割った卵を元に戻すアダム(朝美絢)(右)の魔法に、臨時助手のジェイン(野々花ひまり)はビックリ(写真は宝塚バウホール公演)

 宝塚歌劇雪組公演「ほんものの魔法使」がKAAT神奈川芸術劇場で上演中だ(16日まで)。入団13年目の第95期生・朝美絢(あさみ・じゅん)の記念すべき初東上作。新トップ・彩風咲奈(あやかぜ・さきな)を支える組の2番手は、3年ぶりのセンターでもしっかり存在感を示している。

 米ファンタジー小説が原作。“リアル魔法使い”アダム(朝美)が、手品師が集う街を訪れたことで大騒動となる。物語はコメディー調でシンプルに進行。様々なマジックにロボット、動物、昆虫たちの舞などポップなショーの要素がふんだんで、宝塚初見の子供たちに見てもらいたいカラフルな作品だ。一方、アダムが異端者扱いされる悲哀が味に。演出の木村信司氏はパンフレットにジョニー・デップ主演映画「シザーハンズ」のことを記しているが、なるほど、ティム・バートン監督の世界観を思わせる。

 小劇場ならではの作品だが、それを成立させるのは朝美の個性。華やかさに芯の強さが加わった。先の宝塚バウホール公演で朝美は「不安定な世の中で先が見えず、もやもやすることもあると思いますが、物語の力が皆さまに何かエールに、心の癒やしになりますように」と、あいさつした。

 新生雪組は若手の飛躍が重要課題だ。特に男役。しゃべる犬・モプシーを演じた7年目・縣千(あがた・せん)はコミカルな表情と動きで新味を発揮した。次回大劇場作「CITY HUNTER」では屈強な海坊主役。役の大きな振り幅は確実に成長へつながる。

 気弱なマジシャン・ニニアン役の2年目・華世京(かせ・きょう)の大抜てきは劇団の期待を物語る。縮こまった役柄とブカブカの衣装に隠れているが、171センチで体格もいい。フィナーレでは朝美、縣に次ぐ3番手で踊る場面も。劇中の呼称通り“比類なき”存在になれるか、今後も注目だ。

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