「表現の不自由展」開催予定だった会場オーナーのコメント公表「子どもたちに恐怖を感じさせる」

都内で会見を開き、妨害行為による会場の変更を発表した「表現の不自由展」の実行委員会
都内で会見を開き、妨害行為による会場の変更を発表した「表現の不自由展」の実行委員会

 今月25日から東京・新宿区のセッションハウス・ガーデンで開催される予定だった企画展「表現の不自由展」の会場で妨害行為が続いているとして、同企画展の実行委員が10日、都内で緊急記者会見を開き、展示会場の変更を余儀なくされたと発表した。

 会見では「私の願い」と題した同会場のオーナーコメントが実行委員会によって代読された。

コメントは以下の通り。

 この度は私どものギャラリーで6月25日から予定していた『表現の不自由展』に対して、開催を公表した直後から、右翼の多数の街宣車や抗議する者が連日現れ、マイクや大声で「展覧会に会場を貸すことをやめろ」などと連呼して、騒乱状態が発生し、近隣の方々や、セッションハウスに通うダンサーやアーティスト、スタッフたち、とりわけバレエを習いに来ている子どもたちに多大なる迷惑と恐怖を感じさせる事態となっています。

 セッションハウスは1991年の創設以来、30年ですが、何よりも培ってきた近隣の方々との信頼関係が壊されていくことで私たちに与えた衝撃は計り知れないものがありました。そして、このようなことが今後も繰り返されることが予測されるため、実行委員会の皆様にお願いして、不本意ながら当ギャラリーを今回の「表現の不自由展 東京」の展示会場として提供することが極めて困難な状況にあるということをお伝えしました。すでにご予約いただいている観客の皆様、出展アーティストの皆様、実行委員会の皆様には多大なご迷惑をおかけすることになりました。

 声高に言葉の暴力をつかう者たちの傍若無人な言動には強い憤りを覚えていますが、近隣の方々への迷惑や、子どもたちや、来場者の方々にこれ以上の恐怖感、不安感を与えることは二度とあってはならないことです。そのための苦渋の決断だったことを皆様にもご理解くださいますようお願いする次第です。

 展覧会の出品作品というものは、いずれの場合にあってもそこに足を運び、見ていただく場所があってこそのものです。そして賛否両論を含めて、いろいろと語り合っていただくことが寛容なことです。

 しかしながら、今回、セッションハウスをそのような場所として活用していただくことは出来なくなりましたけれど、このプロジェクトが立ちはだかる困難を克服して、新たな形で継続、発展していくことを切に願ってやみません。

 2021年6月10日 セッションハウス 伊藤孝

社会

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