大谷翔平にも余波?不正物質使用投球の新ルール実施で大混乱必至!

スポーツ報知
大リーグが不正物質使用投球の新ルール実施で大混乱必至

 この流れでいけば、“魔球”スプリッターを投げる大谷翔平にも疑惑の目が向けられるのだろうか。ゲリット・コール、ジェイコ・デグロム、トレバー・バウアーといった現役最強を競うサイ・ヤング賞投手たちの名前が次々に報じられている。

 MLBが粘着物質などの禁止物質使用の厳格な取り締まりに乗り出すことを全球団に通達した。「震源地」は使用を禁止されている松ヤ二などのすべり止めの混合物を投手たちに提供されていたとされる元エンゼルス球団スタッフだ。これによって解雇されたことが名誉棄損であるとし、球団とMLB相手に告訴したことから、粘着物質など不正物質が広く浸透している疑惑が広がり、MLBが2か月間に渡り調査を実施。その結果として回収した数千個のボールのうち、数百個に不正物質が付着していたことが判明した。

 複数の現地メディアによれば、MLBは先発投手については最低2回、リリーフ投手に対してはランダムに審判がチェックを行い、違反した場合はその間、無給の10試合出場停止処分を受けることになる。

 こうした中、スポーツ誌ナンバーワンの売り上げを誇る「スポーツイラストレイテッド誌」はこのスキャンダルを大々的に取り上げ、同誌が徹底した調査報道で球界に衝撃を与えた不正薬物問題と同様の深刻な問題として報じた。

 そして、報道合戦に火がついた。その流れで打者、投手それぞれの立場で発言が相次いでいる。

 ジョシュ・ドナルドソン(ツインズ)は「粘着物質使用は不正そのものである」とし、イニングや投手交代ごとのチェックなどを実施すべきと主張。一方で、バウアーなどは「これまで見て見ぬふりをしてきたことをやめろ」と、今回のMLBの新ルール作りに対して不信感を露わにしている。

 また、ダルビッシュ有(パドレス)も「滑りやすいボールに問題あり」と指摘。監督の立場からアスレチックスのボブ・メルビン監督は「汗を全くかかないようなナイターの試合などでロージンが何の役にも立たない。何らかのすべり止めが必要だ」と、線引きの難しさを口にする。

 公然の秘密…投手が禁止物質を付着したり、ボールを紙やすりなどで傷つけ、ボールの「すべり止め」を逸脱して回転数をあげたり、大きな変化を与える行為は何もいま始まったわけではない。1900年以降の近代野球といわれる当初からあったし、実際ボールに唾をつけるスピットボールが認められていた時期もあった。その後は不正投球を巡ってイタチごっこのようなことを長年に渡って繰り返してきた。球界のグレー、あるいはファジーな部分。不正薬物使用問題と同じような道をたどってきたのだ。その間に、不正投球していたとみられるゲイロード・ペリーなどが通算300勝以上をマークして殿堂入りもしている。目の前の事実から目を背けてきた長い、あいまいな歴史。

 新ルールは早ければオールスターゲーム前から実施される見通しだという。今季、4月、5月におけるMLB全体の通算打率は2割4分台を切っている。歴史的低打率だ。

 この新ルール導入がどのような影響を与えるのか。大混乱が起こるかもしれない。とりあえず、球界浄化?と引き換えに今を時めく投手たちが落ちた偶像にならないことを願いたいものだ。

 出村義和(スポーツ・ジャーナリスト)

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