池江璃花子を五輪旗手に JOC組織委待望論 白血病から復活「いない開会式は考えられない」

2018年のアジア大会の閉会式で、旗手を務めた池江璃花子
2018年のアジア大会の閉会式で、旗手を務めた池江璃花子

 競泳の東京五輪代表・池江璃花子(20)=ルネサンス=が日本選手団の旗手の候補に浮上していることが8日、スポーツ報知の取材で分かった。今回の五輪では史上初めて男女それぞれに旗手を置くが、白血病を乗り越えてドラマチックに復活を遂げた池江には、日本オリンピック委員会(JOC)、五輪組織委などから待望論が持ち上がっている。本人の体調面を考慮に入れつつ、JOCは複数の候補の中から今後、本格的な選定作業に入る。

 池江が大役候補の一人に浮上した。7月23日の五輪開会式では、ジェンダー平等の観点もあってIOCが各国・地域に男女1人ずつの旗手起用を求めているが、あるJOC関係者は「大役の候補であることは間違いない。年齢やキャリアのことを考えても、旗手というポジションは可能性が高いだろう」との見解を示した。

 選手団のシンボルとして行進の先頭に立ち、日の丸を掲げる旗手は、88年ソウル五輪の小谷実可子を第1号として、これまで6人の女性が担ってきた。

 白血病を克服し、4月の日本選手権で劇的な復活を遂げて五輪切符をつかんだ池江の姿は、1年延期という試練に直面してきたアスリートの中でもとりわけ象徴的な存在だ。昨年7月23日に国立競技場で行われた1年前イベントでも、日本を代表して世界にメッセージを発信した。

 18年のジャカルタ・アジア大会閉会式でも当時高校生ながら旗手を任された経験があり、JOCが旗手に求める「これからの日本を担うホープ」というイメージにも合致する。組織委関係者らからも「池江選手のいない開会式は考えられない」「日本の顔としてふさわしい。復活できる保証もない中で階段を一つずつ上ってきた素晴らしいストーリーがある。力強さとエネルギーがある」といった待望論が上がっている。

 ただし、起用には慎重な判断が必要だ。競泳の日程は大会前半に組まれ、池江は開会式の翌日、24日夜から400メートルリレーの予選がスタートする。優先されるべきはまずは本人の体調であり、競技。「あまりにも池江選手が多くの役割を担い、負担がかかるのは心配」との声も聞かれる。例外はあるが、翌日に競技が控える選手は開会式を欠席するのが慣例だ。今回はあくまでリレーメンバーでの選出という立場でもあり、JOC関係者は「最終的にはチームの判断と、本人の意向になる」と説明した。

 本来は世界中の選手が一堂に会し華やかに行われるはずだった開会式は、新型コロナウイルス感染防止の観点から、参加人数を大幅に絞って簡素化される見込み。シンプルかつ厳粛な儀式の場で、旗手の存在感は際立つ。男子ではバドミントンの桃田賢斗や卓球の張本智和、バスケットボールの八村塁、女子は柔道の阿部詩、卓球の伊藤美誠らの有力選手も候補に挙がる。JOCは今後、組織委などとも連携しつつ、7月6日の選手団結団式・壮行会までに陣容を固める。

◆主将はソフトボール・上野由最有力最有力

 JOCは今回、夏季五輪では初めて主将・副主将の二頭体制で臨む予定で、男女で担う。主将の最有力候補はソフトボールのエース、上野由岐子(ビックカメラ高崎)。副主将は過去に金メダルに輝いた柔道男子の大野将平(旭化成)や、体操男子の内村航平(ジョイカル)が有力視される。開会式の選手宣誓も男女1人ずつで行うことが検討され、主将と副主将がその役割を担うとみられる。

 ◆池江 璃花子(いけえ・りかこ)2000年7月4日、東京・江戸川区生まれ。20歳。日大在学中。3歳から水泳を始め、専門は自由形とバタフライ。15年世界選手権で代表になり、16年リオ五輪は7種目に出場。100メートルバタフライ(56秒08)を始め16個の日本記録を保持。19年2月に白血病を公表し、20年8月に復帰。今年4月の日本選手権で100メートルバタフライなど4冠。172センチ、55キロ。

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