藤川球児氏の新企画「球児がゆく」 プロ注目の明桜高・風間球打を直チェック「似た名前。親近感湧く」

スポーツ報知
5日、本紙評論家・藤川球児氏が明桜対秋田南戦をスタンドから観戦

 スポーツ報知評論家の藤川球児氏(40)が気になった選手などを直接チェックする新企画「球児がゆく」。初回は、今秋ドラフト上位候補の明桜高・風間球打(きゅうた)投手(3年)を視察するため、春季秋田県大会の準々決勝(5日)を電撃訪問。「弟のような感じで親近感が湧く」と経験談を交えながら紙上でエールを送った。風間は7日、同準決勝・大館桂桜戦で自己最速タイ153キロの直球を武器に7回5安打無失点、14奪三振と快投した。

 球打―。今年に入り、私と似た名前の高校球児がいると知り「どんな選手だろう」と見てみたい思いに駆られた。自分の長男より年下だけど、弟のような感じがして親近感が湧いた。5日の秋田南戦の取材機会を得て、秋田県のこまちスタジアムに足を運んだ。

 球打君は「5番・右翼」で出場。私と同じ右投げ左打ちでスイングスピードが速く、左越え適時二塁打を放つ活躍だった。

 登板はなかったが、投球フォームを映像や連続写真で見た限り、左膝を高く上げている〈2〉などから、体の柔軟性を感じる。トップの〈5〉で、高い位置まで右肘を上げているのが素晴らしい。〈6〉などで、少し上半身主導になってしまっているが、大きな欠点は見受けられない。バランスがいい体の使い方なので、球速が150キロを超えるのだろう。今秋のドラフト上位候補に挙がる理由もうなずける。伸びしろはまだまだあるし、さらなる成長を期待したい。私としては何より、元気いっぱいにプレーする姿を一目見ることができただけで十分だった。

 私は父親が草野球でノーヒットノーランを達成した翌日に生まれ、球児と名づけられた。正直に言えば、良い思い出ばかりではない。小学3年時に野球を始めたけど、中学ぐらいまでは野球をしなきゃいけない、逃げれられないと思い込んでいた。何度も野球をやめたいと考えた。でも、いつも頭の片隅に名前のことがあった。ある意味、球児という名が逃げ道をなくし、その名に負けないように向き合ってきたから、今の人生がある。両親には心から感謝している。

 球打君は自分の名前をどう思っているのだろう…。野球をしていて「球」があることで嫌な思いをしたことはないのかな。良い思いをしたことはあるのかな。現役を引退した私に代わり、球打君が「名前って大事なんだよ」ってことを世の中に伝える存在になってくれたら、うれしい限りだ。

 おそらく、球打君は私が観戦していたことに気づいていなかったと思う。大会中で頑張っているタイミングで顔を合わせることも、あえてしたくなかった。ただ、この場を借りてエールを送りたい。

 「これから、名前と戦っていかないといけないかもしれない。でも夢は、やり続けた人しかかなわない。プロ野球選手を目指しているなら、プロ野球選手になることをゴールと捉えず、志高くチャレンジしてほしい」

 プロ野球の世界に飛び込んできた時には真っ先にインタビューをさせてもらいたいな。それは名前の縁。楽しみにしている。

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