【巨人】長嶋茂雄終身名誉監督、G球場で雨中の熱血指導 不振の丸は「心配ない」

雨の中、ジャイアンツ球場を訪れた長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督は、不振の丸佳浩を指導する(カメラ・竜田 卓)
雨の中、ジャイアンツ球場を訪れた長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督は、不振の丸佳浩を指導する(カメラ・竜田 卓)

◆イースタン・リーグ 巨人3―10西武(6日・ジャイアンツ)

 巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(85)=報知新聞社客員=が6日、不振で2軍落ちした丸佳浩外野手(32)に打撃指導するため、ジャイアンツ球場を電撃訪問した。同球場でのイースタン・西武戦前の打撃練習中から、室内にも場所を移して計1時間。構えの姿勢や体重移動までみっちり、ミスター流をたたき込んだ。右手母指(親指)末節骨骨折で調整中の坂本や、秋広にも助言。シーズン中では超異例の一日となった。

 小雨のジャイアンツ球場に突然、ミスターがやって来た。午前9時過ぎ。グラウンド内に車をつけ、打撃ケージ横に用意された椅子に座った。右手母指(親指)末節骨骨折で調整中の坂本や復活を期す陽岱鋼、秋広、北村らが快音を響かせる中、長嶋さんのお目当ては、丸。不振の理由が分かっているから、それを伝えに来たのだ。

 打ち終わりの丸を早速、呼び寄せた。左手で丸の腹部を強く3度、4度たたいた。「ここに力を入れて、ここ中心に回るんだ」。言葉に熱がこもり、ミスターは立ち上がった。「構えてごらん」と促す。今度は腰、背中上部をたたいた。最近の打席で猫背になっていた点を指摘し、姿勢を正すように注意。「背中が丸まると軸が崩れる。そこが気になっていた。フォームが安定してなかった」。左肩が投手寄りに早く出たり、内角がさしこまれたり。全ては構えから打ちに行く際の「姿勢」が招いたものと見ていた。

 熱血ぶりは勢いを増す。室内に場所を移し、個人レッスンがスタート。体の中心にある“おなか”を軸に、左足体重で回転すること。その上で「インコースを打ちなさい」と要求した。姿勢が良ければバットは最短に、スムーズに出る。ムダのないフォームから右翼方向のネットを激しく揺らした。阿部2軍監督の横で、長嶋さんは「OK! OK! いいぞ~」と、何度も声を張った。「良くなってる、大丈夫。心配ない」。立って座って、また立って。身ぶり手ぶりの打撃指導は計1時間にもわたった。

 ほぼ毎日、都内の自宅で巨人戦をチェックし、「この3人がしっかりしていれば必ず優勝できる」とは坂本、岡本和に丸のこと。「丸ならすぐに直る。直接伝えたい」と修正点に気づき、すぐ行動に移した。グラウンド上では勇人も呼び寄せ、「今のバッティングで十分だからな」と太鼓判。「前に行かないようにな」と、右足重心の現フォームを確認していた。

 まな弟子の“松井級”と認める秋広にも、「期待しているよ」と声をかけた。球場を後にしたのは午前11時半。次世代の若手選手にも目を配り、「いい選手がたくさんいた。楽しみだ」と、満足した様子だった。「1分1秒の時間でも大切に使って、野球に打ち込んでください。勝つ勝つ勝ーつ!」と言葉を残したミスター。シーズン中では過去に例のない電撃訪問となったが、熱い思いは必ず伝わったはずだ。(水井 基博)

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