【阪神】佐藤輝明で見る長嶋茂雄 虎の怪物ルーキーは2代目ミスタープロ野球になれるか

5月28日の西武戦の9回に1試合3発となる決勝3ランを放った佐藤輝明
5月28日の西武戦の9回に1試合3発となる決勝3ランを放った佐藤輝明

 阪神・佐藤輝明の快進撃が止まらない。1年目の今季は1日終了時点で全49試合に出場し、打率2割6分2厘、13本塁打、38打点。5月28日の西武戦(メットライフ)では、1958年の長嶋茂雄(巨人)以来となる1試合3発の離れ業をやってのけた。通算2000試合目の「伝統の一戦」だった5月15日の巨人戦(東京D)では、3本の二塁打。新人4番がGT戦で猛打賞を記録するのも、長嶋茂雄以来2人目だった。

 オープン戦では、ドラフト制後の新人最多となる6発を放ち、“本塁打王”を獲得。「ミスタープロ野球」の長嶋茂雄が記録したオープン戦7本塁打にはあと一歩及ばなかったが、ミスターさえ達成できなかった3戦連発をマークし、開幕前から怪物ルーキーぶりを見せつけていた。

 「三振か、ホームランか。フルスイングで勝負したいと思います」。1日現在、71三振は12球団最多。シーズン207三振ペースで、1993年にブライアント(近鉄)が記録したNPB最多の204三振を超える勢いだ。それでも、井上ヘッドコーチが「バットに当てて『内野ゴロでした』でも凡打、バットに当たらずに『空振り三振でした』でも凡打なわけだから。三振もある意味テルの魅力。当てにいくような打撃はしてほしくない」と言うように、迫力満点のフルスイングは佐藤輝の個性。空振りで甲子園がどよめくことも珍しくない。

 長嶋茂雄の1年目を振り返ると、130試合で打率3割5厘、29本塁打、92打点、37盗塁の好成績。新人王に本塁打王、打点王の2冠を輝いた。新人の全試合フルイニング出場は、1956年の佐々木信也(高橋ユニオンズ)以来2人目で、セ・リーグでは初めてのことだった。ちなみに、現在でも1961年の徳武定之(国鉄)、2017年の源田壮亮(西武)の計4人しかいない大記録だ。

 3つのセ・リーグ新人記録(92打点、89得点、34二塁打)を保持し、153安打も2019年の近本光司(阪神=159安打)に破られるまでトップだった。290塁打は両リーグ合わせての新人記録。記憶にも記録にも残る超スーパールーキーだった。

 佐藤輝のここまでの成績を143試合に換算すると、38本塁打、111打点、32二塁打ペース。本塁打は1986年の清原和博(西武)らが持つ新人最多記録の31本を上回る可能性が十分で、打点と二塁打も“長嶋超え”を射程圏内に捉えている。

 今年5月16日。伝統の一戦を観戦した巨人の長嶋茂雄終身名誉監督は両軍でペナントを争う展開を「やはりプロ野球は巨人と阪神が強いと盛り上がります」と喜び「今年の阪神はルーキーの佐藤輝君という新しい力もあり、強い」と話していた。ミスターも認める2代目ミスター候補。令和に現れた怪物・佐藤輝明はどんな伝説を残すのか―。(記者コラム=阪神担当・中村 晃大)

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