巨人が外国人選手のスカウト活動強化のために「米国OBスカウト」を導入することが31日、分かった。大リーグとのつながりを持つスコット・マシソン氏(37)、ギャレット・ジョーンズ氏(39)、ジョージ・アリアス氏(49)、ケーシー・マギー氏(38)、岡島秀樹氏(45)の5人と契約締結に合意。自身の日本での経験も踏まえて選手の性格や特徴を分析、共有し、OBと球団が一体となって有望な助っ人を発掘する。
巨人が新たな試みに乗り出す。外国人選手獲得に関して「米国OBスカウト」を導入。より細かい情報網を築き、選手の特徴や性格などを共有する。今回は日本での活躍が記憶に新しいマシソン氏、ギャレット氏、アリアス氏、マギー氏、岡島氏の5人と契約締結に合意したことが判明した。
19年まで在籍したマシソン氏はNPB8年間で421試合登板。最優秀中継ぎ投手のタイトルを2度獲得し、大の親日家でファンから愛された。退団と同時にプロ野球選手は“引退”したが、昨年から自宅のある米国内で自主トレを継続。カナダ代表の一員として東京五輪出場を目指す中で、OBスカウトとして2年ぶりの巨人“復帰”となる。
ギャレット氏はメジャー通算122本塁打で、16年に巨人で24本塁打。現在は米国で解説者として活躍する。17年に巨人でリーグ新記録のシーズン48二塁打を放ったマギー氏、巨人と阪神、オリックスで計6年間プレーしたアリアス氏は現在ともに米国でソフトボールの指導者を務める。日米で活躍した岡島氏を含め豪華な顔ぶれがそろった。
巨人は昨年、日本国内で「OBスカウト」を発足。全国各地で小、中学生を指導する球団OBと契約し、年少期からのプレーや性格など、近くにいるからこそ分かる「金の卵」の情報を正規のスカウトと共有する体制をつくった。「米国OBスカウト」も基本的に考え方は同じとみられる。コロナ禍で正規の国際スカウトの現地視察に制限もある中、有益な情報提供が期待される。
有望な外国人選手獲得のため「米国OBスカウト」は各地区に配置する方針。東地区にマシソン氏とギャレット氏、中地区にアリアス氏とマギー氏、西地区を岡島氏が担当するという。岡島氏だけが現在、日本国内在住だが、レッドソックス時代に築いた豊富なネットワークを駆使して巨人の助っ人発掘に尽力する。
今季はメジャー通算196本塁打の両打ち助っ人・スモークが5番に定着して現在24試合で打率3割1分7厘、6本塁打。日本野球への適応という点で国際部門担当者の細かな調査が形になっている。ここにマシソン氏ら「OBスカウト」が加わることで、助っ人発掘の体制はさらに強固になる。巨人が日米で情報ネットワークを広げていく。
◆スコット・マシソン(Scott Mathieson)1984年2月27日、カナダ生まれ。37歳。メジャー通算15登板1勝4敗。12年に来日。巨人では19年に難病の感染症「エーリキア症」を克服。NPB通算8年間で421登板、27勝29敗54セーブ、防御率2.46。外国人史上最多174ホールド。19年オフに退団してフリーに。右投右打。
◆ギャレット・ジョーンズ(Garrett Jones)1981年6月21日、米国生まれ。39歳。パイレーツ、ヤンキースなどでメジャー通算122本塁打。16年に巨人でプレーして123試合、打率2割5分8厘、24本塁打、68打点。敵地・横浜で3打席連続本塁打を放った。現在は米国で解説者。
◆ジョージ・アリアス(George Arias)1972年3月12日、米国生まれ。49歳。エンゼルスなどを経て、2000年にオリックス入団。02年から04年まで阪神に在籍。06年に巨人でプレー。NPB通算6年間で打率2割5分9厘、161本塁打、436打点。現在は米国でソフトボールの指導者。
◆ケーシー・マギー(Casey McGehee)1982年10月12日、米国生まれ。38歳。カブスなどを経て13年に楽天で日本一に貢献。14年にマーリンズでカムバック賞。17、18年に巨人でプレーし退団後は米国でソフトボール指導者に。NPB通算3年で415試合、打率2割9分8厘、67本塁打、254打点。
◆岡島 秀樹(おかじま・ひでき)1975年12月25日、京都府生まれ。45歳。東山高から93年ドラフト3位で巨人入団。日本ハムを経て07年にレッドソックスでワールドシリーズ優勝を経験。12年にソフトバンク、13年にアスレチックス、14年ソフトバンク、15年DeNA所属。日本通算549登板、メジャー通算266登板。