樋口新葉から池江璃花子へ 忘れない「ここで終わりじゃないよ」

18年4月の競泳日本選手権で記念写真を撮る樋口(右)と池江
18年4月の競泳日本選手権で記念写真を撮る樋口(右)と池江
池江にエールを送った樋口新葉
池江にエールを送った樋口新葉

 白血病を克服した競泳代表の池江璃花子(20)=ルネサンス=の「強さ」を、友人でフィギュアスケート2018年世界選手権銀メダリストの樋口新葉(20)=明大=が語った。17年春に味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で出会った同学年の2人は、切磋琢磨(せっさたくま)を続けてきた。(取材=高木 恵、小林 怜花)

 友人として見る璃花子も、アスリートとして見る璃花子も、強いです。全然違う表情を見せるけど、そこは変わらないところだと思います。復帰後はさらに強さが増した印象です。いい意味で、マイペースが強化されたというか。多少のことには動じないたくましさを感じています。

 復帰はとてもうれしかったです。けど、心配でもありました。調子が上がっていくにつれて、周りの期待が大きくなっていきました。どんな時も自分を持っている璃花子だけど、頑張り過ぎたり、追い込み過ぎてしまうんじゃないかって。ブレずに積み上げていくことは、大変な作業だったと思います。もともと努力家ですが、並大抵の頑張りじゃできないことをやっている。本当に尊敬します。

 競技を続けていると、うまくいくことばかりではありません。そういうときに、どうやって良い方向に持っていくのかということは、話を聞きながら参考にしています。私はすぐにダメな方に考えちゃうけど、璃花子は常に前向き。話をしていて「じゃあ頑張ってみようかな」って思うことがよくあるんです。

 2018年平昌五輪の代表選考会だった前年の全日本選手権は会場に見に来てくれました。代表に入れず「終わった…」って泣いて落ち込む私に「ここで終わりじゃないよ」って言ってくれたことは、すごく私の中で大きかったです。切り替えなきゃって頭の中ではわかっていても、そうすることがすごく難しかった。でも、その言葉をもらって踏ん張れたというか「そうだ、終わりじゃない」って前を向くことができました。

 一緒にいて、とにかく面白いんです。もう2年前になりますけど、何度か一緒にプールに行ってバタフライを教えてもらったことがあります。「あ、そうそうそうそう!」って言われるんですけど、何が「そう」で、ちゃんとできているのか全くわからない。すごく丁寧にわかりやすく教えてはくれるんだけど、プロだからできない目線で見てくれないんです。最後は「なんでできないの?」って。試合前にラインで連絡をくれることもあります。「転ばないでね[ハート]」って。ハートマークをつけつつ、プレッシャーをかけにきます(笑い)。いつもパワーをもらっています。

 普段はふざけている璃花子を見ることが多いので、試合で真面目にしゃべっている姿を見ると、不思議な感じになります。東京五輪ですが、終わったときに璃花子が「頑張ってよかった」って思えたならそれでいいって思います。うれしい結果でも、悔しい結果だったとしても、璃花子にとって次につながるような、プラスの方向に進めるような大会になればいいなって思います。

 ◆樋口 新葉(ひぐち・わかば)2001年1月2日、東京都生まれ。20歳。3歳でスケートを始める。18年世界選手権銀メダル。15、16年の世界ジュニア選手権で3位。全日本選手権は13歳だった14年に3位と躍進し、15、16、19年は2位。名前は2001年1月2日という新世紀の始まりに生まれたことに由来。152センチ。

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