19年巨人戦力外の坂本工宜、独立Lで下手投げに転向「必ずNPBに復帰して恩返ししたい」

アンダースローに転向してNPB復帰を目指す坂本。決め球のフォークには手応えを感じている
アンダースローに転向してNPB復帰を目指す坂本。決め球のフォークには手応えを感じている
巨人時代の坂本。オーバースローの本格派だった
巨人時代の坂本。オーバースローの本格派だった

 巨人から戦力外通告を受け、関西独立リーグ・神戸三田ブレイバーズに入団した坂本工宜投手(26)が、インタビューに応じた。2019年12月からアンダースローに転向。世界的にも珍しいアンダースローからのフォークボールを操る。目指すは通算284勝投手・山田久志氏のようなスピードボールと落ちる球で攻めるサブマリン。NPB復帰へ、意気込みを語った。(取材・構成=玉寄 穂波)

 坂本がNPB復帰へ向け、一歩踏み出した。巨人から19年に戦力外通告を受け、もう一度プロの世界へ挑戦するためアンダースローに挑戦。約1年半の歳月を経て、4月28日に独立リーグ・神戸三田ブレイバーズに入団した。

 「僕の周りの家族であったり、たくさん協力してくれる人がいてできたこと。みんなが支えて応援してくれているので、本当に感謝しています。兵庫県は高校、大学を過ごした場所です。地域の人にもピッチングを見てもらいたい。背番号も感謝の意味を込めて『39(サンキュー)』にしました」

 アンダースローへの挑戦は大きな決断だった。もともとのフォームはサイド、スリークオーターでもなく、上から投げる最速150キロの本格派右腕。再びプロの世界へ挑戦するなかで考え抜いた。

 「上から投げる投手もたくさんいるなかで、各球団150キロ以上のボールを投げる人はたくさんいる。今までとは一緒ではいけない。大きく変わるチャンスですし、固定概念、先入観にとらわれることなくやろうと。目標を諦めたくなかった。諦めないために挑戦しようと」

 序盤は体の回転に苦戦したが、リズムとタイミングを覚え故障もなく習得した。目指すは通算284勝投手・山田久志氏のようなスピードボールと落ちる球で攻めるサブマリンだ。坂本はアンダースローに挑戦するにあたり、持ち球(スライダー、チェンジアップ、カーブ、フォーク)を減らさなかった。結果、アンダースローでフォークを投げられるようになった。

 「上投げの時に投げてた変化球は下でも投げる。上でも下でも、体の使い方は変わってきますけど、一緒といえば一緒です。上の世界を横にしようということで投げられるだろうと思い投げ始めましたね」

 これまで、アンダースローで落ちる球といえばシンカーが多く、フォークは世界でも極めて珍しい。

 「真縦に落ちるので手応えは結構あります」

 “実戦デビュー”となった、9日の和歌山ファイティングバーズとの試合では1点リードの8回から登板し、1イニングを無失点。フォークで1三振を奪った。手応えは確かだ。

 「ボールも落ちているので、手応えは結構ありますね。ライズというソフトボールのジャイロボールみたいな上に上がるボールも増えました。フォークとのコンビネーションもあり、高低が使えるのでいい球になるかなというところです」

 関学大の準硬式野球部から育成選手で巨人へ入団し、19年に育成選手から支配下選手登録を勝ち取った。同年3月の東京Dで行われたプレシーズンゲームでは、マリナーズのイチローと対戦し、バットをへし折った。

 「巨人時代に応援してくださっていたファンの皆さんにも、とても感謝しています。必ずNPBに復帰して恩返ししたいです」

 目標は選手登録ができる7月末までにNPBに復帰することだ。

 「今年のシーズン中にはプロに復帰したいということだけでやっています。(戦力外通告を受けた直後に)いろいろな人から『続けてほしい』と連絡を頂きました。その気持ちや言葉に応えたい。やっぱり最後まで諦められない。また応援していただけるとうれしいなと思います」

 準硬式からプロへ。そして育成選手から支配下選手へと、数々の壁を乗り越えてきた右腕。5月25日のオリックスとの2軍戦は1回無失点と好投した。夢を諦めず、プロの世界に返り咲くために前に進み続ける。

 ◆坂本 工宜(さかもと・こうき) 1994年8月19日、滋賀・高島市生まれ。26歳。関西学院高では外野手。関学大準硬式野球部で投手に転向し、4年春に最多勝、最多奪三振、MVP。2016年育成ドラフト4位で巨人入団。19年に支配下選手登録され、同年に戦力外通告を受けた。プロ通算2登板0勝0敗、防御率13.50。21年4月に神戸三田ブレイバーズに入団。177センチ、79キロ。右投右打。

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