シャープマスクは今? 1年前応募した抽選が今頃当選 50枚3278円の高価格維持は「適正」

マスク不足の救世主となったシャープマスク「MA―1050」
マスク不足の救世主となったシャープマスク「MA―1050」

 今でこそ、ドラッグストアやコンビニなどで容易に購入できるようになったマスク。1回目の緊急事態宣言発令中だった昨春の深刻なマスク不足の中、大手電機メーカー「シャープ」が抽選販売し、爆売れした1箱50枚入りの不織布マスク「MA―1050」(税込み3278円、他3種)は今も生産が続けられている。当時申し込んだ人からは「今頃当選しても」という声も上がるが、新たな顧客の獲得を狙うシャープマスクの今を追った。(坂口 愛澄)

 5月の連休明け、神奈川県在住の40代男性は突然届いた当選メールに驚いた。応募したのはちょうど1年前。抽選は昨年4月28日から週1回行われていたが、51回目にしてようやくマスクを手にする権利を得た。しかし、今はマスクはどこでも手に入る。男性は「もっと安いマスクを探せばあるし、近場で買える」と購入を見送った。

 昨年4月、新型コロナが猛威を振るい始め、マスク難民が続出する中、今までマスクの販売経験がなかったシャープが親会社の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業から技術支援を受け、生産・販売に取り組んだマスクは大きな話題を呼んだ。1回目の抽選には当選者4万人に対して約471万人の応募が殺到。倍率約112倍という数字に広報担当も驚きを隠せなかった。その後も順調に売り上げを伸ばし、この1年で累計2億枚を突破。応募総数は979万件を超える。

 100円均一ショップの30枚入り110円(税込み)など安価なマスクが容易に手に入る今、1枚あたり約66円という価格設定は高め。だが、同社は今後も価格を下げる予定はないという。理由は製造過程。液晶などの生産工場だった三重県多気郡多気町のクリーンルームで製造しているため、ほこりなどの不純物をシャットアウト。ウイルス飛沫(ひまつ)や微粒子を99%カットするフィルターを使用している。広報担当は「一からマスクを作り始めたこと、国産であること、素材としても(価格は)適正だと考えています」と品質の良さをアピールする。

 販売を促進するための方法も模索している。1回の申し込みで最大100箱まで毎月届く“定期便”をスタートしたほか「ふるさと納税」の返礼品に採用する自治体も出てきた。多気町役場のふるさと納税担当者は「昨年は、抽選が最優先だったので町の方々に渡ることはなかった。町の方々に届けることはできないかと思って話し合いました」と説明。今年2月からサービスを開始し「3か月で申し込みは1000件を超えました」という。

 東京、大阪などに発令された緊急事態宣言が6月20日まで延長されるなど、まだまだマスク生活を強いられることになりそうだが、シャープマスクは今も存在感を保っている。

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