全日空が機内結婚式を開催 コロナで使用されない機体の有効活用を 新郎「今しかできない式」

スポーツ報知
機内で挙式を終え、機体前で記念撮影をする新郎新婦と全日空職員

 羽田空港に駐機している全日本空輸(ANA)の機体、ボーイング777を使った「機内ウエディング」が23日、開かれた。新型コロナウイルスの影響で国際線を中心に大幅な減便が続く中、使われていない機体を活用するため発案された企画。6月までの期間限定で、計7組が結婚式を挙げる。

 「便名 NH8888 到着地 MILAN/MXP」参列者が持つチケットにはそう書かれている。便名の「8888」には末広がりと、拍手の「パチパチパチパチ」の意味を込めた。

 そして行き先のミラノは、全日空が2020年4月20日から新たに就航を予定していた場所であり、一節によればジューンブライド発祥の地でもあるという。実際には飛行機は飛ばないが、新型コロナ禍で就航は延期され、現在も運休が続いているその地への思いも込められている。

 他にも、出発ロビーで参列者やスタッフからの「紙飛行機シャワー」や、客室乗務員による「寿アナウンス」など、航空会社ならではの創意工夫がなされた。

 同プランは全日空が発案し、ブライダル会社・ハセガワエスティと共同で運営。全日空の担当者は新型コロナ禍で減便が続く中、「収益を得るというのも必要なことだった」としながらも、「それ以上に今、コロナ禍で20万人ぐらい結婚式の機会を逸した方々がいるという声を聞き、『なんとかしたい』と社員がこの企画をたちあげた」と企画意図を説明した。

 この日、式を挙げたのは都内在住の村上徹さんと麻美さん。緊急事態宣言下ということを鑑(かんが)み、都内の親族と近くに住む友人を招待して行った。結婚が決まった時にはすでにコロナ禍だったため、結婚式をするという案は頭には浮かんでいなかった。

 だが、今月15日、全日空から今回の企画が発表され、「この式だったらコロナ禍でもできるんじゃないか。飛行機と旅行が好きな我々ふたりにとってこれほどベストな式はないだろう」と応募を決めた。

 コロナ禍で結婚式を中止せざるを得ない夫婦も多いなか、開催できた喜びを感じ、「今後もこのようなコロナ禍でしかできない特別な式ができていけばいいなと思います」と話した。

 また、新婦の麻美さんも「今回は、自分たちが飛行機を貸しきりでその空間を味わえたことがすごいうれしかったです」と笑顔を見せた。

 現在、同プランの予約はすでに埋まっているが、全日空は、今後も機体の確保ができれば企画検討していくという。

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