拓大が新拠点へ移転…全天候型トラック&クロカンでスピード強化!新しい寮は3人部屋から2人部屋に

新設されたクロスカントリーコースでじっくりと走り込む拓大のランナー
新設されたクロスカントリーコースでじっくりと走り込む拓大のランナー

 今年の第97回箱根駅伝15位で2年連続でシード権(10位以内)を逃した拓大が生活・練習拠点を東京・調布市から同・八王子市に移転した。これまで住宅地にあった選手寮は八王子国際キャンパス内に移り、生活スペースが大幅に拡大。選手寮の目の前には400メートルの全天候型トラックと500メートルのクロスカントリーコースも完備された。充実した新拠点で力を蓄え、今季は箱根路で過去最高成績(2011年7位)の更新を目指す。

 京王線の調布駅から徒歩3分の住宅密集地から、緑あふれる八王子の郊外へ。拓大駅伝チームが選手寮を2月下旬に引っ越した。

 新宿から最短21分と交通の便がいい立地だった旧寮は敷地面積が狭く、選手室は約8~10畳で3人部屋だったが、東京ドーム約23個分の広さを誇る八王子国際キャンパス内にある新寮は同じスペースで2人部屋になった。食堂が約6倍に拡大。浴室は約4倍の広さになり、水風呂も設置された。筋力トレーニングやストレッチをするスペースも1・5倍になった。「新しい寮はきれいだし、快適です」と主将の合田椋(4年)は充実した表情だ。

寮からはグラウンドが一望できる
寮からはグラウンドが一望できる

 生活面だけではなく、練習環境も格段に向上した。新寮の目の前には400メートルの全天候型トラック。「昨年までスピード練習は使用日や時間に制限がある公共の陸上競技場で行っていたため、週に1度あるかないかでした。今はきっちり週2回、行っています。拓大の課題のスピードがついてきています」と山下拓郎監督(36)は手応えを明かす。

 スピード不足という弱点を解消すると同時に、拓大の持ち味の粘り強さを増すための練習も積極的に行っている。キャンパス内に設定した2・5キロの周回コースは高低差が約30メートルと起伏が激しい。許可された学内車両しか通行しないため、安全な状況で週に一度のペースで30キロ走を行っている。朝練習や本練習の前後では、トラックの外側に併設された500メートルのクロスカントリーコースでじっくりと走り込む。「練習の質も量もレベルアップしています」と指揮官は胸を張る。

寮内にはトレーニングルームも
寮内にはトレーニングルームも

 ほとんどの選手が八王子国際キャンパスで学んでいるため、通学時間が片道1時間から“1分”に大幅短縮されたことも大きい。例えば、授業が1限と3限の場合、2限の時間は寮の自室に戻り、体を休めることができる。「体の手入れをする時間が増えて故障者が減りました」と合田。金子結斗主務(3年)は「時間を有効活用してプラスアルファの自主練習をする選手が増えました。新しい寮の唯一の難点は、これまで徒歩1分くらいだったコンビニまでの距離が10倍になったことくらいですね」と笑った。

 生活と練習環境が大幅に改善された以上、求められるのは結果だ。「大学の期待を感じる。今季の箱根駅伝では予選会トップ通過、本戦では過去最高成績を目指します」と山下監督はきっぱり話す。

 拓大の箱根駅伝最高成績は、岡田正裕前監督(75)就任初年度の11年7位。18年に8位、19年に9位となり、大学史上初めての連続シード権を置き土産に岡田前監督が19年3月に退任。山下監督体制後、20年は13位、21年は15位と2年連続でシード権を逃したが、今季は巻き返しを図る。前回1区11位だった合田主将は「環境が整い、言い訳はできません。チーム史上最高成績の更新は成し遂げなければならない。僕自身はチームのために往路で区間5位以内の走りをしたい」と表情を引き締めた。

部屋でくつろぐラジニ
部屋でくつろぐラジニ

 関東の大学の長距離ランナーにとって箱根駅伝と並ぶ2大イベントの関東学生対校(20~23日)には、主力が順当に出場メンバーに名を連ねた。2部に属する拓大は1万メートルでエースのジョセフ・ラジニ(3年)が28分15秒21で8位に入賞。合田が29分9秒15で23位と踏ん張った。起伏の激しいコースで行われたハーフマラソンで山田拓人(3年)が23位、山下友陽(4年)が26位と粘り強い走りを見せた。

 箱根駅伝常連校の中でもトップクラスの環境が整った。拓大は新天地から新たな歴史を刻もうとしている。(竹内 達朗)

 ◆引っ越しで連帯感

 〇…2月下旬の“お引っ越し”は1週間を要する大仕事だった。経費削減のため、業者への依頼は最低限に抑え、大型車の運転免許を持つ山下監督がレンタルトラックで連日3往復。「旧寮を大掃除しながらの大変な作業でしたが、みんなで頑張ってチームワークが良くなった」と山下監督は副産物に笑顔を見せた。

  • 今年2月、引っ越し作業に励んだ拓大の選手たち

    今年2月、引っ越し作業に励んだ拓大の選手たち

 ◆拓大陸上競技部 1921年に創部。箱根駅伝には33年に初参戦し、42回出場。最高成績は7位(2011年)。出雲駅伝は18年の4位、全日本大学駅伝は98年の3位が最高。12年ロンドン五輪の男子マラソン代表には中本健太郎(6位入賞)、藤原新(45位)と2人のOBを送り込んだ。今季は前回箱根駅伝2区5位のラジニ、同1区11位の合田、同9区15位の竹蓋草太(4年)、同3区18位の新井遼平(4年)らを中心に戦う。

  • 新たな寮の魅力を語る拓大・山下監督

    新たな寮の魅力を語る拓大・山下監督

新しくなった拓大の選手寮の食堂
新しくなった拓大の選手寮の食堂

新しくなった拓大の選手寮の給湯室。各階に設置され、冷蔵庫や製氷機も
新しくなった拓大の選手寮の給湯室。各階に設置され、冷蔵庫や製氷機も

新しくなった拓大の選手寮の洗面・洗濯室
新しくなった拓大の選手寮の洗面・洗濯室

新しくなった拓大の選手寮のお風呂場
新しくなった拓大の選手寮のお風呂場

新設されたクロスカントリーコースでじっくりと走り込む拓大のランナー
寮からはグラウンドが一望できる
寮内にはトレーニングルームも
部屋でくつろぐラジニ
今年2月、引っ越し作業に励んだ拓大の選手たち
新たな寮の魅力を語る拓大・山下監督
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