【ヤクルト】並木秀尊のプロ初安打に感じた、コロナ禍で記者ができること

9回2死一、二塁、並木秀尊が左翼へプロ初安打となる2点適時二塁打を放つ
9回2死一、二塁、並木秀尊が左翼へプロ初安打となる2点適時二塁打を放つ

 記者という仕事をしていて、最も喜びを感じるのは取材関係者から直接反応をいただく瞬間だと思っている。今回も幸い、そういった機会に恵まれた。19日、ナイターでの阪神戦(甲子園)へ向けた身支度をしていると、メールボックスの中に「御礼」というタイトルが目に入った。独協大関係者からのメールだった。

 内容は、ヤクルトのドラフト5位・並木秀尊外野手の記事に関するお礼だった。並木は18日の同戦に守備から途中出場。8回にはプロ初死球で出塁し、9点リードの9回2死一、二塁では三塁線を破る2点二塁打を放ち、プロ6打席目で待望の初安打&初打点を記録していた。

 同大初のプロ野球選手であり、学内から大きな期待を受けていることは知っていた。初安打、初打点の活躍はもちろん、それ以上に「卒業生である並木選手がたくさんの人に希望を与えている」(原文まま)ことを喜ぶ様子が、文面から伝わってきた。

 今季の起用は代走や守備固めなど途中出場がメイン。プロ1年目で一線級のレベルの高さを肌で感じ取りながら、限られた出場機会に備えて最善の準備をする。それは想像以上に難しい作業だと思う。「1本打つことができて、少しホッとしています」というコメントが、率直な心境を表しているように感じた。

 関係者によると、並木は春季キャンプ終了後、すぐに同大を訪問。在学中にお世話になった関係者へのあいさつ回りをしていたという。初安打後には「途中出場が多いですが、これからも準備だけはしっかりしてチームのために全力で頑張っていきたい」と語ったように、置かれた場所で輝く準備を重ねる姿勢や、感謝を忘れない姿が愛される理由なのだろう。

 現在、プロ野球は新型コロナウイルスの影響で入場制限が行われている。文面には「なかなか彼の近況を知る機会がない」とも書かれていた。関係者の方々は、球場で声援を送りたい気持ちを抑え、テレビ画面の前から声援を送る日々が続いている。自分が記者としてできることは何だろうと改めて考えた。

 メールはこう結ばれていた。「今回も学長、副学長とも共有し、喜びを分かち合いたいと思います」。もちろん、大きな期待を受けているのは並木に限った話ではない。ひとり、ひとりの選手が誰かの期待を背負い、そのプレーを楽しみにしている人がいる。プロ野球が身近に感じられなくなっている状況下で、選手とファンの間で「媒介者」としての役割を果たすこと。それが自分ができることだと感じている。(ヤクルト担当・小島 和之)

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