◆パ・リーグ ロッテ6―6西武(16日・ZOZOマリン)
“令和の怪物”がついに幕張へ上陸した。ロッテの高卒2年目右腕・佐々木朗希投手(19)が1軍初登板。計3本塁打など打線の援護を受けながら5回まで6安打4失点(自責点2)5奪三振。プロ初勝利の権利を得たが、8回にリリーフ陣が追いつかれ、デビュー戦初勝利とはならなかった。それでも、プロ最多となる107球の力投。最速154キロをマークし、最速163キロ右腕の物語がついに幕を開けた。
スポーツ報知評論家の堀内恒夫氏が佐々木の投球について解説した。
佐々木朗に言うことはただ一つ。クイックモーションの練習に今すぐ取りかかりなさい。左足は小さく上げているのだが、下ろし方が遅いから、そこから時間がかかる。5イニングで5盗塁。本来ならゲームにならないところだ。厳しい言い方だが、これはクイックではない。矯正しようとすると、いい部分も消してしまう可能性があり悩ましいところだが、このままだと“欠陥”になる。首脳陣も徹底的に練習させるべきだ。
もう一つ気になったのは、球数が多いこと。ストレートの球筋はきれいだが、スピンの利いた球ではないからファウルが多く、空振りが取れない。球種がストレートとフォークのほぼ2種類だったことで、相手が読みやすかったこともある。なぜ持ち球のスライダーをもっと投げなかったのだろう。球種がもう一つ加わるだけで、球数は減るはずだ。
いいものは持っている。左足を大きく上げなくなってからフォームがおとなしくなったが、100球前後投げても150キロの球を投げられる。これは一つの才能だ。しかも、どこへ行くか分からないような“暴れ球”ではなく、ゾーンの近辺に行く。フォークもコントロールしている。見るべきものはいくつもある。むしろ、もう少し荒々しさが欲しいくらいだ。とにかく、クイックを改良してからの投球を見たい。(スポーツ報知評論家・堀内 恒夫)