映画館は休業要請なのに劇場は時短営業ってなぜ?都独自の線引きで混乱も

スポーツ報知
東京都の休業要請に従い、休業している「TOHOシネマズ」渋谷。上映中の映画案内が映し出されるはずのパネルは真っ暗

 新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言の延長に伴い、東京都が事業者へ要請している措置の線引きに混乱が続いている。延長に当たり、政府は大型映画館に対しての休業要請を午後9時までの時短営業に見直したが、都は独自に休業要請を維持している。劇場や演芸場が有観客で営業を再開する中、なぜ映画館はだめなのか。小池百合子知事が事実上率いる「都民ファーストの会」を含め、都議会の与野党各会派からも緩和を望む声が上がっている。(瀬戸 花音)

 東京で、映画館が取り残されている。都民ファ総務会長を務める入江のぶこ都議(58)は「ひとりの映画を愛する者として残念です。私個人で言えば、映画館に見に行きたいですしね」と訴える。

 政府は4月25日からの宣言前に発表した施設利用制限に関する資料で、映画館を博物館等と同じ「その他集客施設」と位置づけ、1000平方メートルを超える施設に休業を要請。だが、12日からの延長に伴う措置では、劇場等と同じ「イベント関連施設等」に変更。午後9時までの時短要請へ緩和した。

 しかし、都は映画館への休業要請を維持した。小池知事は7日の会見で、この理由を「東京の人流を徹底して抑え込むため」と説明。14日の会見でも「これまで休業要請していた集客施設については、引き続き休業要請を」と説明を重ねた。

 当初「無観客開催」を求められた劇場などの業種は「無観客でも営業は可能」とされ、国の協力金は支給の対象外だった。これにより休業せざるを得ない劇場も出てきたため、都は延長に当たり午後9時までの時短要請へ変更した。

 では、劇場と映画館でどこが違うのか。「無観客開催」だった劇場は収入も国からの協力金もないのに対し、休業要請の対象だった映画館は協力金(1000平方メートルあたり20万円)が支払われる面が異なる。都幹部は「都としては基本的に従来の措置継続と考えているが、無観客開催の扱いに問題を残したまま厳しい対応を続けることはできなかった」と説明する。

 入江氏は「理由のさらなる追及以前に、一日でも早く映画館が開けるようになれば」と訴える。映画関連団体の意見をまとめるなど精力的に活動し、会派として「イベントなどと同じ要件で映画館の開業はできないものか、検討してほしい」と働きかけている。

 また、元テレビ朝日アナウンサーで都議会自民党の川松真一朗都議(40)は「昨年『鬼滅の刃』で、どこの映画館も大行列ができていたのにクラスターは出てない。その説明をどうするのって話ですよ」と訴える。自民党会派として、副知事に合理的な説明を求めているが「都は国の対応変更に遅れただけなので説明できない。東京の子どもたちだけが『名探偵コナン』の映画を見られないなんて、かわいそうですよ」と憤る。公明党や共産党も都に映画館の休業要請の見直しを申し入れており、知事サイドの今後の対応に注目が集まる。

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