使い込んだグラブ 思い出のグラブをよみがえらせる…大学野球界でも始まったSDGs

スポーツ報知
再生前(左)と再生後のグローブ。物を大切にする姿勢は大切だ

 使い込んだ野球グラブの修理や再生、昔使っていたグラブをよみがえらせる…。野球界でも取り組めるSDGs(持続可能な開発目標)が、少しずつ始まっている。関東地区大学準硬式野球連盟では、選手から回収したグラブを産学連携契約を結んだグローバルポーターズ社と再生に取り組むなど「使えなくなったら捨てる」からの変化が起きている。

 今年1月に東京・大田区の蒲田で誕生し、グローバルポーターズ社が運営する「野球グローブ再生工房 Re-Birth」。開店翌月には1か月でのグラブ取り扱い件数が80件を超えるなど、球児や草野球愛好家の間で注目度が上昇。関東地区大学準硬式野球連盟との産学連携契約を締結。さらに4月には多摩川河川敷で草野球が盛んな東京・世田谷区の二子玉川駅そばに2号店がオープンするまでになった。

 店内には新品のグラブに混じって、修理・再生された中古品も並んでいる。共同オーナーとして運営に携わる島本隆史さん、鴛海秀幸さんは「捨てられていたものが長く使い続けられるよう、啓蒙活動も積極的に行っていきたい」と目を輝かせた。

 毎年流通しているグローブは約100万個。多くは上質な天然皮革(主に牛革)が使われているが、これまでは使われなくなると廃棄されることが多かった。一方で原材料費や生産国の人件費高騰に伴い、グローブの販売価格が年々上昇していることで、多くの道具をそろえる必要があるプレイヤーの経済負担が高まっていた。

 そのような背景や野球人口減少の現状もあり、全国の野球専門店は減少傾向。同工房では「破れや補強など修理全般に加え、スポーツ店で断るような平裏・指袋(グローブの裏革)の総交換やオーバーホールも行っている。上質な天然皮革グローブを修理して長く使い続けていただく修理サービスを追求していくこともサスティナブルな野球界の実現やSDGsの達成につながっていくものと考えている」としている。販売・修理歴15年以上のベテランが、グローブの湯もみや型付け、修理、メンテナンスなどを行っていくことで、再生品でも使えることを証明した。運営会社のグローバルポーターズ株式会社代表取締役米沢谷友広さんは「運営に関わっていただいている仲間と共に、グローブを通じた新しい価値を創造し、持続可能な野球界の発展に貢献していきたいと考えています」と取り組みにかける思いを口にした。

 道具を大切に使うという教育面でも意味でも意義ある取り組み。それでいて、童心に返ることができるグラブの数々。店舗を訪れた男性客のグループが、商品棚に並んだグラブに目を輝かせながら、2時間近く滞在したこともあったという。

 「野球グローブ再生工房 Re-Birth」では、使い古したグラブの下取りも開始しており、店舗を訪れなくても、LINEで写真を送りその後現物を見て査定も行うなどしているという。球界におけるSDGsの取り組み、社会貢献が広がっていくことを願うばかりだ。

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