◆JERAセ・リーグ 巨人1―2阪神(14日・東京ドーム)
通算1999試合目となった伝統の一戦で、巨人が阪神に逆転負けを喫した。1点を追う8回、原監督は3番・丸に移籍後初めてとなる代打を送るなど積極的に動いたが、あと1本が出ず。連勝は2で止まった。4連勝とした首位・阪神とのゲーム差は、今季最大の4・5差に拡大。2000試合目となる15日の同カードは先発・サンチェスで逆襲を図る。
数々の名勝負を繰り広げてきた巨人・阪神戦。1999試合目は最後まで手に汗握る熱戦だった。1点を追う9回2死二塁。岸田の代打・亀井のコールにG党から大きな拍手が送られた。初球打ちの遊ゴロで一塁に全力疾走も、わずかに及ばず試合終了。原監督は1得点に抑えられた打線について「そうですね。2対1というのはそういう部分だね」と淡々と振り返った。
勝負手を打ったのは8回だった。1死一塁で、そこまで2打数無安打2三振の3番・丸に代打・中島。相手投手は青柳から左の岩崎に代わっていたとはいえ、本来は投手の左右が影響する選手ではない。丸に代打は巨人移籍後3年目で初めてだった。中島は右飛で得点につながらなかったが「まあ、最善の策というところですね」と話した原監督の勝利への執念は、チーム全体に伝わったに違いない。
坂本が骨折で離脱後、3試合連続で丸が3番に入っている。今季23試合出場で打率2割2分7厘、得点圏打率1割5分8厘と乗り切れない中でも、粘り強く四球を選んで出塁率3割7分6厘と兆しもある。この日は青柳対策でタイミングを取る際の手足の動きを小さくするなど、打席内から試行錯誤が伝わる。元木ヘッドコーチは「本来の丸の姿ではない。どうにか良くなってほしい」と願った。
首位・阪神と4・5ゲーム差に開いたとはいえ、悲観する内容ではなかった。2番ウィーラーは走者一塁で走者を進めようと右方向へのチーム打撃。3回1死満塁では岡本和の左犠飛で三走・梶谷が生還した。原監督も「よく梶谷が走ったよね」とたたえた好走塁。セーフ判定に対して捕手・梅野がリクエストを要求する動きを見せる間に二走・ウィーラーが三進する好判断もあった。高い集中力が紙一重の接戦を演出した。
緊急事態宣言延長に伴う入場制限の緩和により、東京Dの巨人戦では4月25日の広島戦以来、5試合ぶりに有観客。1万3873人の野球ファンの前で両チーム、好守備あり好走塁ありの引き締まった好ゲームとなった。15日は伝統の一戦2000試合目。原監督は「まあ、明日いきます」と節目の一戦に向けて前を向いた。(片岡 優帆)