志村けんさん、三浦知良に共通する“マンネリ力”はコロナ禍でこそ生きる

志村けんさん(右)と三浦知良
志村けんさん(右)と三浦知良

 2か月前のこと。3月29日の志村けんさん(享年70)一周忌にあたり、公私で親交が深かったダチョウ倶楽部の3人に話を聞いた。3人だからこそ知る志村さんの素顔や言葉。私が質問を投げかけるまでもなく、エピソードや思い出話は止まらなかった。50分間のインタビューは端々まで心震えるものだったが、ふと3人が口をそろえた言葉にペンが止まった。

 「志村さんは、仕事もプライベートもどこまで一途でした」

 その昔。ダチョウ倶楽部は観客の反応が悪い「どうぞ、どうぞ」のギャグを止めた。それを見た志村さんに呼ばれた。「ちゃんとやればウケるから大切にしないとダメだよ」。次の舞台。丁寧にやると、驚く程ウケた。

 志村さんは訪れる飲み屋も、そこで注文するメニューも、それを一緒に食べる仲間も、そして彼らを笑わせるギャグもずっと変わらなかったという。「ブレない上で、新しいことも否定しませんでした。TikTokでネタを作って、最新の携帯電話で、時計もアップルウォッチでした」。同じ様でも新しいことを取り入れて、自身も周囲も飽きさせなかったように思う。

 振り返ると、昨季まで担当したサッカーの三浦知良(横浜C)からも、志村さんと似たような言葉を聞いたことがある。1年前に同行したグアムでの自主トレ。毎日同じ時間に起き、同じ場所を同じペースで走る。35年以上のプロ生活。ずっとこれを続けているのだろうか。「飽きたりしませんか?」。私の失礼な言葉に、カズさんは不思議そうな顔をして即答した。「全く飽きないね。もっとうまくなりたいから」。目を凝らすと、日々の同じメニューの中でも負荷や動きをわずかに変えるなど必ず新しいことにトライしていた。カズさんと同じ様に、きっと志村さんも“もっと面白くしたい”の一心だったのではないかと思う。

 志村けんさんやカズさんは真摯(しんし)に同じものと向き合い、それを極め、マンネリを“ルーチン”のように昇華していた気がする。飽きやすい私も彼らのヒントを頼りに、自粛続きでマンネリ気味のコロナ禍をうまく活用していきたいと思う。(記者コラム・田中 雄己)

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