岡田阪神がボイコットも考えた竜虎決戦 リプレー検証制度下なら果たして名ドラマになり得たか

2005年9月7日の中日-阪神戦で主審に詰め寄る阪神・岡田監督(右から2人目)
2005年9月7日の中日-阪神戦で主審に詰め寄る阪神・岡田監督(右から2人目)

◆セ・リーグ(2005年9月7日・ナゴヤドーム)

阪神 000 100 011 01-4

中日 000 000 102 00-3

(延長11回)

(神)下柳、藤川、ウィリアムス、〇久保田―矢野

(中)川上、高橋聡、山井、岩瀬、石井、●平井―谷繁

[本]金本33号、中村豊1号(神)

 デスクからの一本の電話が映像を見返すきっかけとなった。「あの時の詳しい経過を思い出してくれへんか!」。11日に通算2000試合を迎えた阪神―中日戦の企画。名勝負のワンシーンとして、2005年9月7日の天王山(ナゴヤD)のハイライト画像を16年ぶりに目にしたが、時代の移ろいを感じざるをえなかった。

 問題のシーンは阪神が2点リードの9回に起こった。無死二、三塁から中日・谷繁の深いゴロを処理した二塁・関本が一か八かで本塁に送球した。捕手の矢野は頭から滑り込んできた三塁走者のアレックスにタッチ。だが、橘高球審の両手は広がり、三塁ベンチから岡田監督ら首脳陣が抗議に出てきた。暴力行為で平田ヘッドコーチが退場となり、判定に憤った阪神ナインはボイコットも視野に18分間も一塁ベンチに下がる事態となった。

 スロー映像を見ると、アレックスの左手がホームベースに触れる瞬間と、矢野のタッチのどちらが先だったかは極めて難しい判断だ。虎番だった当時は冷静さを失い、疑惑の判定と感じていたが、それほど問題のあるジャッジには見えない。

 この試合はアレックスのヘッドスライディングを含め、3度のタッチプレーの判定が両軍をヒートアップさせた。だが、リプレー検証のある現在なら、もめることなく、静かに試合が再開されていたのではないか。

 延長11回、中村豊が決勝アーチを放り込んだ瞬間、判定に泣かされ続けた猛虎ファンは留飲を下げる思いだっただろう。記者も思わず身を乗り出し、興奮状態で高い放物線を見上げていた。

 18年からのリクエスト導入で正しい判定が下される可能性は一気に高まった。だが、アウト、セーフ、そして抗議を巡るドラマは消えつつある。心を揺さぶられるようなシーンに立ち合う機会が減ったのは、野球が変わったからか。それとも自らが年を取ってしまったからなのか。

(プロ野球遊軍・表 洋介)

 ◆中日・阪神の天王山決戦 05年9月7日、首位・阪神は2位・中日と2ゲーム差でナゴヤDで激突。9回2死満塁、関本の適時打で本塁を狙った中村豊は微妙な判定でアウト。2点リードのその裏、無死二、三塁で谷繁の二ゴロでアレックスがホームへ。微妙な判定で今度はセーフ。激高した岡田監督は選手をベンチに引き揚げさせ、18分間の中断。久保田が同点に追いつかれ1死満塁となると、指揮官はマウンドに向かい「お前の責任じゃない。むちゃくちゃ投げろ」と指令。久保田は全球ストレートで渡辺、ウッズを空振り三振。延長11回に中村豊が決勝弾を放った。これで勢いに乗った阪神は9月29日の巨人戦(甲子園)に勝利し、2年ぶりのリーグ制覇を決めた。

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