小松菜奈が映画単独初出演…吉本ばななさん人気短編集「キッチン」収録「ムーンライト・シャドウ」で

スポーツ報知
映画「ムーンライト・シャドウ」(左から)原作者の吉本ばなな氏、主演の小松菜奈、エドモンド・ヨウ監督

 女優の小松菜奈(25)が映画「ムーンライト・シャドウ」(エドモンド・ヨウ監督、今秋公開)に主演することが11日、分かった。14年の長編映画「渇き。」で本格女優デビューし、これまで「恋は雨上がりのように」(18年、大泉洋)、「糸」(20年、菅田将暉)などにダブル主演しているが、長編映画の単独主演は初めてとなる。

 作家・吉本ばななさん(56)の人気短編集「キッチン」(1988年)に収録された同名の短編小説が原作。突然訪れる恋人の死を受け入れられない主人公さつき(小松)を一人称の視点で描く。

 吉本さんが大学の卒業制作として発表し、日本大学芸術学部長賞を受賞。88年に泉鏡花文学賞に輝くなど、ファンの間では初期の名作という呼び声が高い。

 原作を読み直した小松は「登場人物が何かを抱き締めながらも哀(かな)しみ、喪失感、絶望、孤独、それだけじゃない乗り越えようとするエネルギーを、吉本ばななさんの生み出す一つ一つの魅力的な言葉から感じました」。メガホンをとったのは、17年の東京国際映画祭で東南アジア出身者初の監督賞を受賞したマレーシア出身のヨウ監督。すでに撮影は終了しているが、スタッフのアイデア、意見も取り入れながらの建設的な現場を経験し「どんなふうに完成しているのか未知の世界で、こんなに想像がつかない作品は初めて。だからこそ、作品の完成が楽しみです」と話した。

 吉本氏は「小松さんは旬でパワフル。話の中にある『暗さ』のようなものも感じられるのでピッタリだと思う。映像によってどう表現されるか、自分が描いていなかった部分がふと出てくることがいっぱいありそうな気がしていて、私も楽しみにしています」。原作に魅了されて以来、日本の文学や映画に影響を受けてきたというヨウ監督は「彼女(小松)なしでは映画化は不可能でした。演技をするのではなく、小松さんはさつきになったのです。監督の私にとっては本当に幸福で豊かな体験でした」と振り返った。

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