桐生祥秀フライングで失格、調子上向き自覚「タイムを狙いにいきすぎた」

フライングで失格となり、頭を抱える桐生祥秀
フライングで失格となり、頭を抱える桐生祥秀

◆陸上 東京五輪テスト大会(9日、国立競技場)

 男子100メートルで、前日本記録保持者の桐生祥秀(25)=日本生命=が予選で痛恨のフライング失格を犯した。今夏の本番を前に五輪会場で走る最後の機会だったが、17年ロンドン世陸金メダルのジャスティン・ガトリン(米国)との直接対決も幻に。「叫びたいくらい悔しい」と本音を漏らしつつ、「何かプラスがないと次に進めない」と切り替えた。

 誰の目にも明らかだった。桐生は、号砲より0秒068早いフライング。失格直後に姿を見せた取材エリアで「自分のミス。絶対にやってはいけないことだった。本当は叫びたいくらい悔しい」と本音を吐露した。五輪会場での“予行演習”をフイにし、予選別組だった世陸王者ガトリンとの対決も幻に。「一番は、気持ちが急ぎすぎたんじゃないか。今日は自分を責める」と、唇をかみしめた。

 10秒30で3位だった織田記念国際(4月29日、広島)から、状態が上向いているのを自覚していた。「冬からの疲れも抜けて、自信を持ってこの試合にこられた。感覚的にも良かったので、タイムを狙いにいきすぎた。気持ちの高ぶりを抑えられなかった」と振り返った。まさに好事魔多し―。ただ、試合前日の8日には会場併設のサブトラックで調整。五輪本番での、主会場の動線を確認できたこともテスト大会ならではの収穫だ。

 前回フライングしたのは、17年5月のダイヤモンドリーグ上海大会。その年の9月、桐生は日本勢初の9秒台の世界に足を踏み入れた。19年5月には、自国開催だった世界リレー(横浜)の舞台で、400メートルリレー予選でバトンパスをミスして失格。同年も、10月のドーハ世界陸上で雪辱のリレー銅メダルを手にした。今回の“しくじり”から、8月の五輪本番で何を生み出すか。「1つミスしても、何かプラスに変えないと先には進めない」。失敗は、成功の母。手痛い経験を力に変える強さが、桐生にはある。(細野 友司)

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