松井秀喜氏、甲子園では「六甲おろし」鼻歌を歌いながら外野を守っていた…「甦る伝統の一戦」

巨人と阪神の対戦成績と今後の日程
巨人と阪神の対戦成績と今後の日程

 通算2000試合まで2試合となった巨人と阪神の戦いは、数々の伝説を生んできた。レジェンドが振り返る「甦(よみがえ)る伝統の一戦」第5弾は、不動の4番として平成の巨人を引っ張った、ヤンキースGM特別アドバイザーの松井秀喜氏(46)が登場。少年時代は阪神ファンで、石川・星稜高時代から甲子園を沸かせた同氏が、阪神戦や聖地への思いを明かした。

 ジャイアンツのユニホームを着ていたときの伝統の一戦、中でも甲子園での試合はタイガースファンとして育った私にとって特別でした。あの独特の空気感は他の球場とは全く違います。高校時代に甲子園の土を踏みましたが、その時の感覚とも異なっていました。ナイターだと、甲子園が全く違った雰囲気になる。夜の顔になるのです。

 今思っても不思議な球場ですが敵地にもかかわらず、プレーしていてとても心地いい。右翼席から子供の頃に聞き覚えのある応援歌や六甲おろしの大合唱が聞こえてくると、たまに自然と鼻歌を歌いながら外野を守っていたのを思い出します。

 印象に残っている伝統の一戦は、ジャイアンツでの現役最終年となった2002年5月22日の試合です。井川投手に6回まで0点に抑えられて、1点を追う展開で迎えた7回。前を打つ(高橋)由伸が犠打を決めて1死二塁で打席がまわってきました。由伸のバントには驚きましたが、その分、ここは4番に任せたというベンチの意思を強く感じました。

 あの頃の井川投手は完全に阪神のエース格で、力のある真っすぐに加えてチェンジアップも良かったです。何より彼はいつも真っ向勝負を挑んできました。結果は運良く逆転本塁打となりましたが、本塁打を打った4球目まで全部真っすぐ。ベンチに戻ると清原さんに「さすが4番や」と声を掛けられて、握手をしたのを覚えています。

 2000年(6月18日)にようやく初めて本塁打を打てた遠山さんとの勝負や、東京ドーム(02年8月24日)で、見逃し三振を喫した藤川投手の低めの真っすぐなども記憶に残っています。まだリリーフとしてブレイクする前でしたが、伸びのあるすごいストレートを投げるなと思いました。

 長嶋監督から初めてジャイアンツの4番を任された(1995年8月25日)のも、車の故障で大遅刻してほとんど練習せずに逆転満塁弾を打った(97年8月20日)のも阪神戦。ガルベスが判定を巡って大暴れした試合(98年7月31日)や、槙原さんが新庄さんに敬遠球を打たれてサヨナラ負けした試合(99年6月12日)など、多くの印象的な場面があります。

 ジャイアンツとタイガースの選手だけが、あの独特の雰囲気の中で試合ができる。プレーヤーとして幸せな時間です。阪神が強いとより一層、この対決が脚光を浴びます。伝統の一戦の舞台に立てる喜びを感じながら、新たな名勝負を野球ファンの皆さんに見せてください。

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