【高校野球】今春センバツ21世紀枠出場・三島南が伝える野球の楽しさ、素晴らしさ

子供向けの野球教室を開くなど、地域に根ざした活動に取り組む三島南ナイン
子供向けの野球教室を開くなど、地域に根ざした活動に取り組む三島南ナイン
今春のセンバツに出場した三島南の稲木監督(右)。左は斎藤崇晃選手
今春のセンバツに出場した三島南の稲木監督(右)。左は斎藤崇晃選手
常識にとらわれない発想でチームを改革してきた三島南・稲木監督
常識にとらわれない発想でチームを改革してきた三島南・稲木監督

 いつからだろう。野球はいつの間にか「敷居の高い」スポーツになってしまった。公園は都会でも田舎でも「キャッチボール禁止」。子供がチームに入ろうと思えば決して安いとは言えない用具代や遠征費がかかるし、送り迎えやお茶当番など親の負担も著しい。野球というスポーツ自体の人気は根強いものがあるのに、実際にプレーする人口は減る一方だ。

 この流れに強い危機感を抱いていたのが今春センバツに21世紀枠で初出場した三島南・稲木恵介監督(41)。「このままでは公立校の野球部はつぶれる」。就任翌年の14年から始めた子供を対象にした野球教室は30回以上開催。のべ1000人以上が参加してきた。

 スタート当初は小学生への指導は禁じられていたため、目を向けたのが幼稚園・保育園。人気キャラクターを模した的を用意するなど、子供が取っつきやすいように工夫を重ねたという。「野球を日常に落とし込んで誘えるようにしたい」。センバツ前に開催された体験会を取材した。自分の投げたボールでクッパや禰豆子が描かれた的が吹き飛ぶのが面白いのだろう。未経験の小さな子が目を輝かせていたのが印象的だった。

 回を重ねるごとに活動は拡大し、地域に根付いたものになっていった。部員は大雨でグラウンドが荒れたと聞けば整地に向かい、花壇作りやドブさらいまで買って出るようになったという。

 野球部なんだから、野球の練習だけやっていればいい、という考え方もあるとは思う。ただ稲木監督は違う。「野球以外の所にヒントがある」が信条だ。だから全体練習も週1日とし、それ以外の日はバッテリー組、野手組などに別れて練習を行うようにした。ジムワークのみの日は午後5~6時には帰宅できるため「勉強してもいいし、他の事に時間を使ってもいい。高校生なんだから」。こんな柔軟な考えをする指揮官はなかなかいないだろう。

 三島南が開催する野球教室はリピーターも多く、参加をきっかけに少年団に入団する子も複数いるという。「野球の素晴らしい部分を伝えられれば」。地道な活動が、いつか大きな変化を生むきっかけになると信じている。(静岡支局・武藤 瑞基)

子供向けの野球教室を開くなど、地域に根ざした活動に取り組む三島南ナイン
今春のセンバツに出場した三島南の稲木監督(右)。左は斎藤崇晃選手
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