松原后「甘い世界ではなかった」「必要とされた所で全力を尽くす」ベルギー通信最終回

スポーツ報知
今季はリーグ戦7試合に出場した松原(シントトロイデン提供)

 サッカーのベルギー1部・シントトロイデンのDF松原后(24)が異国の地での挑戦を紹介する「ベルギー通信」は今回で最終回。実質的な移籍1年目はリーグ7試合出場で1アシストにとどまり、チームも10勝8分16敗、勝ち点38で18クラブ中15位に終わった。20年1月にJ1清水から移籍して約1年半。理想と現実のギャップに苦しんだ日々と今後のサッカー人生の目標をつづった。

 静岡のみなさん、お久しぶりです。シントトロイデンの松原后です。4月19日にシーズン最終戦があり、帰国して、成田のホテルでこの原稿を書いています。20年1月に移籍したので、実質的にはこの20―21年が自分のベルギー1年目でした。結果は34試合中7試合に出場して1アシスト。こっちに「勝負」しに来ている以上、この試合数では存在価値は示せないし、到底満足はできません。

 頭の中の理想と、目の前の現実。そこには大きな差がありました。行く前はベルギーリーグの映像を見て、「正直、すぐに試合に出て理想的なプレーができるだろう」と思っていました。でもそんなに甘い世界ではなかった。海外に挑戦する日本人選手が「違う競技みたい」って言う意味がよく分かりました。ここにはステップアップを狙う生きが良くて才能のある若手が、世界中から集まってくる。マッチアップする相手が10億、20億、30億で5大リーグ【注】に移籍していくんです。

 今年、自分に代わって左サイドバックに入ったDFカカーチェはまだ20歳なのにユベントスからオファーが来たと報じられました。15年に浜松開誠館からプロに入って、定位置を奪われたのは初めてでした。悔しい。もちろん悔しいんだけど、彼のプレーを見ていると本当にいい選手だなっていうのが分かる。この環境ではい上がれたら、トップ選手に近づける。それは間違いないと思います。

 オーバーラップ、クロス。攻撃面は改めて自分の強みだと思う反面、やっぱり足りないのは守備力だと痛感しました。パワフルかつスピーディーな相手に対してクロスを上げさせない守り、球際で競り勝つための間合いはまだまだです。英語もオンラインで授業を受けたりして一生懸命勉強してきました。でもやっぱり試合で存在価値を示せるかが全て。語学力が低くても、プレーで示すことができれば自然とみんな近寄ってきてくれる。もちろん、自分が話しかけられてないとかじゃないですよ(笑い)。でもサッカー選手って自分が試合に出て認めさせる。それが一番なんですよね。

 隔離期間が終わったら浜松に帰り、少しオフをとって6月にベルギーに戻ります。この先のことは正直に言うとまだ分かりません。プロに入る前から「海外で成功する」って目標を立ててやってきて、5大リーグに挑戦したい思いも消えてません。ただ8月には25歳になる。サッカー界では中堅の年齢だし、試合にからめない状況は苦しいです。今言えるのは必要とされた所で全力を尽くすこと。それから日本代表を目指す意志はブレずに持ち続けようと思います。

 ベルギーに行って約1年半。今回を持って、連載は一区切りとなります。ご愛読いただいた静岡のみなさまには感謝しかないです。もっともっと活躍する姿を届けたい。自分は確実に成長していきます。今後も期待してください。ありがとうございました!(おわり)

 【注】5大リーグと呼ばれるのはイングランドのプレミアリーグ、スペインのラ・リーガ、ドイツのブンデスリーガ、イタリアのセリエA、フランスのリーグアンの5つ。

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