◆JERAセ・リーグ 巨人4―6ヤクルト(7日・東京ドーム)
巨人がヤクルトに逆転負けを喫した。初回に新2、3番コンビの坂本、ウィーラーの連続アーチ。3回には岡本和の犠飛で主導権を握ったが、先発・菅野が4回51球、2安打無失点で緊急降板。試合後、右肘の違和感と発表された。突然のアクシデントで投打の歯車は狂い、8回に坂本が今季初の1試合2発目を放つも中継ぎ陣が踏ん張れずに敗戦。エースの早期復帰を祈るばかりだ。
通常ならあり得ないタイミングで代打が送られた。3―0の4回2死。菅野は自身の代打・ウレーニャが打席に向かう姿を一塁ベンチの奥に座って見つめていた。4回51球2安打無失点の降板。アクシデントが起きたことは明らかだった。試合後、球団は「右肘の違和感のため」と発表した。
この日は中6日で先発。試合前練習では普段の登板日同様に短距離ダッシュ、キャッチボールを行って異変はなかった。3回まで二塁を踏ませず無失点。宮本投手チーフコーチは試合中のコメントで、立ち上がりについて「すごく丁寧に投げている。奥行きを使ってうまく抑えている。見事です!」と絶賛していた。
4回は相手の3~5番を3人で抑えたが、試合序盤に最速148キロを計測していた速球が、この回になり140~142キロに急低下。4回終了後にベンチに戻るとコーチ陣が心配そうに歩み寄り確認して交代となった。桑田コーチと話し込む場面もみられた。大事を取っての降板で、今後については一夜明けた8日の状態を見て判断するという。
エースの緊急降板後、2番手・野上は7回まで3回1失点。2点リードの8回に中川が登板も、塩見にソロ、さらに四球絡みで2死一、二塁とした後、村上に同点の左前適時打を浴び降板した。バトンを受けた桜井はオスナ、大江は青木に適時打許しこの回計5安打4失点で逆転を許した。
これまで中川は何度もピンチを救ってきただけに、4失点とはいえ責められない。原監督は「単純に打たれすぎた。四球も絡んだりね。決して褒めることはできないだろうね」と次回の糧とすることを求めた。
初回に坂本、ウィーラーの連続ソロで2点先制し、主導権を握ったかに見えた一戦。エースの降板、攻撃陣も追加点を奪えず、徐々にヤクルトに流れが傾き、最後は救援陣が踏ん張りきれずチームの連勝は2で止まった。(片岡 優帆)