再始動した「To Be Continued」 解散ではなく活動休止を選んだ理由

音楽活動を再開した「To Be Continued」の岡田浩暉(右)と後藤友輔
音楽活動を再開した「To Be Continued」の岡田浩暉(右)と後藤友輔

 「今日は人を殺さないからね」

 インタビューの開口一番がこれだった。字面にするとおぞましいが、爽やかな口調で場を和ませたのが、TBS系連続ドラマ「半沢直樹」など人気作に数多く出演し、サスペンスドラマでは怪し~い人を演じることが多い俳優・岡田浩暉(55)だ。

 岡田が90年代にボーカルを務めていた3人組バンド「To Be Continued」が、21年ぶりに再始動するにあたり先日、岡田とリーダー・後藤友輔をインタビューした。この日が2000年の活動休止以来となるバンドとしての取材だったが、21年のブランクを感じさせないほど息ぴったりだった。ただ、2人の初対面は最悪だったという。

 1988年、後藤とキーボード・佐藤鷹が先にバンドを結成。ボーカルを探していたところ、脱サラして群馬から上京してきたアーティスト志望の岡田に目を付けた。早速、3人は会うことに。岡田の自宅に集まることになったが、2人は約束の時間になっても現れなかった。結局、やって来たのは深夜を回ったころだったという。

 「音楽のバンド組もうという話だと思ったのに、(後藤は)開口一番『股下いくつ?』って。『女の子にモテる?』おまけに『兄弟構成は?』って。ムカムカした」と股下86センチを誇る岡田が嫌そうに振り返れば、後藤は「他の2人は股下が足りなかったので」。今では笑い話だ。

 岡田は後藤と佐藤の楽曲に感銘を受け、バンドを結成。91年、DREAMS COME TRUEらを輩出した芸能プロダクションに所属し、ソニー・レコードからメジャーデビューした。大手2社の強力タッグで、テレビ朝日系「ミュージックステーション」に何度も出演する“ごり押し”もされた。同業者には人気だったが、当時はツービート系のバンドが人気を博し、キーボードバンドのTo Be Continuedは一般に受けず。「君たちの音楽は中学生以下だね」と言われ、悔しい思いをしたこともあった。

 デビュー4年目、岡田の役者デビューになったTBS系ドラマ「もしも願いが叶うなら」(94年)の挿入歌「君だけを見ていた」が50万枚を記録。ついに、ヒット曲を生み出したが、逆に歯車は狂い始める。

 3か月に1枚のCDリリースを課せられ、「休まず曲を出してカラカラなんですよ」と後藤。新曲を生み出すことに忙しく、ファンクラブのイベントは2回しか開催できなかった。山積みのファンレターにも目を通す時間がなかった。3人は豊島区のスタジオで今後について話し合い、2000年に活動を休止した。

 それから21年。休止中は頻繁に連絡を取り合うわけではなかった。岡田は名脇役として、後藤は全国展開する音楽・声優教室のやり手経営者として経験値を積んだ。今年1月、岡田がMBSテレビ「ごぶごぶ」に出演し、「もしも―」で岡田とともに4きょうだいを演じたダウンタウン・浜田雅功(57)、中山美穂(51)、浜崎貴司(55)と27年ぶりに共演。岡田にとって「理想郷のような作品」の復活に、バンド再始動の思いが募った。「大恩人の作品がこんな形で復活したんだから、タイミング的には今なんじゃないかと」。

 すぐさま、岡田は後藤に連絡。徹夜明けの後藤は岡田のオファーに驚きつつも、すぐ快諾した。「当時は過密スケジュールで疲弊していたので、このまま終わるのはイヤだなって思っていた。もう1回フラットに、もう1度やってみたいと思っていた」。消費され続けた90年代。当時と今では状況が違う。さらに、互いに様々な経験を重ねた。今だからこそ、伸び伸び活動ができると感じている。

 そして、復活劇にはもうひとつ要因がある。00年の活動休止の話し合いのタイミング。解散も視野に入れていたが、活動休止を選んだ理由を岡田、後藤とも忘れていた。が、インタビュー途中に後藤が「思い出した!」と声を大にした。「解散しようとしたら『To Be Continued(=続く)』だから休止にした。バンドの意味を否定しちゃいけないって」。結成時に何げなく付けたバンド名。それが21年ぶり再始動の背中を押すことになるとは、当時の2人も想像しなかったに違いない。(記者コラム)

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