広中璃梨佳、1万メートル優勝で決めた20歳初五輪 昨年12月の5000メートルで田中希実に敗れて成長 

東京五輪参加標準記録を突破して優勝した広中璃梨佳
東京五輪参加標準記録を突破して優勝した広中璃梨佳
東京五輪1万メートル代表
東京五輪1万メートル代表

◆陸上 日本選手権1万メートル(3日、静岡スタジアム)

 女子1万メートルは5000メートル日本歴代3位の広中璃梨佳(20)=日本郵政グループ=が、31分11秒75で五輪参加標準記録(31分25秒00)を突破して優勝し、東京五輪代表に内定した。31分18秒18で2位の安藤友香(27)=ワコール=も記録をクリアし、日本記録保持者・新谷仁美(33)=積水化学=を含めて代表3人が出そろった。

 死力を尽くした広中の笑顔が咲いた。両手を広げてフィニッシュするも、力なくフラつくほど。1万メートル2戦目にして五輪代表切符をつかみ、「挑戦者として臨んだ。昨年の5000メートルの悔しさがあったので、自分でレースをつくった」と持ち前の負けん気を見せつけた。

 20歳とは思えない、隙のないレース運びだった。序盤から先頭でペースをつくり、6000メートル付近からは、安藤にトップを譲ってじっくりと力を温存した。「ラストは自分で行くんだと決めていた」と残り3周から一気にギアチェンジ。マラソンを主戦場とするスタミナ型の27歳を置き去りにした。

 この1万メートルだけでは満足しない。悔しさを糧に2枚目の五輪切符も狙う。昨年12月の日本選手権5000メートル、スパート合戦で代表内定の田中希実(21)=豊田自動織機TC=に敗れた。そのレース後、「ありがとうございました。負けて悔しいです」とライバルへ直球で思いをぶつけた。今回の挑戦も「5000メートルで世界と戦うため」と言い切り、6月の日本選手権で再び代表の座を目指す。

 子供の頃から外で遊ぶのが大好きで、雨でも雪でも体を動かし続けた。なかなか帰宅しないことを母・奈利子さんが心配するほど。小学時代から走り始め、「強豪校を倒して全国に行きたい」と、高校は長崎の名門・諫早ではなく、長崎商を選んだ。3年時に初の全国高校駅伝出場を決め、有言実行してみせた。

 「1人ではこのタイムは出せなかった。安藤さんたちと切磋琢磨(せっさたくま)できたからこそ」と周囲への感謝も忘れなかった。アグレッシブなフォームで駆け抜ける未完の大器。「日本を背負って、堂々とした走りをしたい」。トレードマークの赤いキャップをひときわ輝かせて、東京五輪に挑む。(太田 涼)

 ◆広中 璃梨佳(ひろなか・りりか)2000年11月24日、長崎・大村市生まれ。20歳。18年アジアジュニア1500メートルで優勝。19年4月、長崎商高から日本郵政グループに入社。クイーンズ駅伝では2年連続1区区間賞で2連覇に貢献した。

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