14歳の玉井陸斗、高飛び込み五輪代表権獲得 2年前から身長12センチ体重15キロ増「延期はプラス」

6回目の演技後に笑顔を見せる玉井(右は馬淵コーチ)
6回目の演技後に笑顔を見せる玉井(右は馬淵コーチ)
男子高飛び込み予選、玉井陸斗の6回目の演技の連続合成写真(カメラ・竜田 卓)
男子高飛び込み予選、玉井陸斗の6回目の演技の連続合成写真(カメラ・竜田 卓)
飛び込み玉井の順位変動
飛び込み玉井の順位変動

◆W杯東京大会兼 東京五輪最終予選 飛び込み 第3日(3日・東京アクアティクスセンター)

 男子高飛び込みでは中学3年の玉井陸斗(14)=JSS宝塚=が予選を405・20点の15位で突破し、18位以内に与えられる東京五輪代表権を獲得した。19位タイで迎えた最終試技でこの日最高の91・80点をマークし圏内に食い込んだ。準決勝は421・30点の9位で4日の決勝に進出した。

 「絶対に決めてやる」。ラストダイブに玉井は記憶が飛ぶほど集中した。5255B(後宙返り2回半と2回半ひねりえび型)の複雑な回転がウソのような小さな水しぶき。起死回生の91・80点で初の五輪切符をつかんだ。「よくやった」。馬淵崇英コーチから頭を荒っぽくなでられた。

 絶体絶命だった。予選2本目で39・60点と完全な失敗ダイブ。中盤でも得点が伸びず、4本目が終わって24位にとどまった。5本目を終え、五輪圏内の18位には2・25点差の19位タイ。「足の感覚がないくらい緊張した。ジャンプしても、しきれていない感じだった」。底力で405・20点までスコアを積み上げ、15位に食い込んだ。「うれしい気持ちが大きい」。じんわりと安堵(あんど)に浸った。

 昨年五輪が開かれていれば、玉井は13歳10か月という日本男子として史上最年少出場の可能性もあった。コロナ禍の1年延期で更新できなかったとはいえ、14歳10か月での出場となれば同男子の歴代最年少、競泳・北村久寿雄と約3週間しか違わない立派な記録だ。

 小学1年の体験会が縁で飛び込みを始めた。「練習中、この子何なんやろか、って思うくらい泣くんです」と基礎を教えた64年東京五輪代表の馬淵かの子コーチ。怖くて、ではない。同じ失敗が3、4回続くと我慢ならないのだ。小学時代に指導した辰巳楓佳コーチも「重度の負けず嫌い」とうなずくが、試合では、また違う一面がのぞくという。「他を相手にしていない。自分でプレッシャーをかけて、自分で乗り越えている。全然動じない。ちょっと特殊だと思いますね」

 「延期はプラス」と言い切る。19年4月のデビュー戦当時より身長は12センチ、体重も15キロアップ。昨年12月に左肘を痛め、練習を制限しているが、切れ味は保っている。「五輪では、自分で満足できるような演技をしたい」。ベストスコアの528・80点は、リオ五輪銅メダル相当。日本飛び込み界初の表彰台という夢を、小さな肩に託された。(太田 倫)

 ◆日本人の最年少五輪代表

 ▼夏季 競泳の竹本ゆかりが13歳6か月で68年メキシコ市大会に出場し、女子100、200メートル平泳ぎで予選敗退。女子平泳ぎの長崎宏子は11歳0か月で80年モスクワ大会代表に選ばれたが、日本が選手派遣を取りやめて幻となった。男子では32年ロサンゼルス大会の競泳1500メートル自由形に14歳10か月で出場し、金メダルも獲得した北村久寿雄(くすお)が最年少。

 ▼冬季 フィギュアスケート女子の稲田悦子が12歳0か月で36年ガルミッシュパルテンキルヘン(ドイツ)大会に出場し、10位だった。

 ◆玉井 陸斗(たまい・りくと)2006年9月11日、兵庫・宝塚市生まれ。14歳。3歳から水泳を始め、小学1年の時に飛び込みを始める。シニアデビューとなった19年4月の日本室内選手権で史上最年少優勝。好きな食べ物は牛タン。好きな女性タレントは広瀬すず、西野七瀬。155センチ、51キロ。家族は両親と兄。

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