【巨人】育成7位ルーキー・戸田懐生の夢 憧れの憲伸さんのように 気迫で支配下つかむ…インタビュー

最速150キロの直球と4種の変化球が武器の戸田
最速150キロの直球と4種の変化球が武器の戸田

 巨人の育成を含むルーキー全19選手のインタビューを随時掲載していく。第1回は、四国IL・徳島から入団した育成7位・戸田懐生投手(20)。故障もあり、東海大菅生高を中退し、一度は野球を断念した経歴の持ち主だ。野球を再開した理由とは。プロ入り後の現在の心境は? 思いをたっぷりと語った。(取材・構成=灰原万由)

 戸田は170センチと小柄ながら、最速150キロの直球と4種の変化球(スライダー、カットボール、カーブ、スプリット)を操る右腕。ダイナミックな投球フォームで気迫を前面に押し出す投球スタイルだ。入団直後は右肩を痛めており、新人合同自主トレではノースローやネットスローで調整していた。4月中旬に2軍に合流すると、17日のイースタン・楽天戦(G球場)で公式戦初登板初先発。5回3失点と不完全燃焼に終わったが、24日の同日本ハム戦(鎌ケ谷)では6回1失点の好投を披露し、公式戦プロ初勝利を収めた。

 「肩はキャンプ前に治りましたけど、復帰も少し遅れてしまって(キャンプは)3軍スタートだったので。正直こんなに早く登板機会を頂けるとは思っていなかったです。驚きましたけど、緊張などはなくて、与えられた場所で結果を残すしかないと。初先発は、制球が安定しなくて大事なところで打たれてしまった。追い込んでからのコースなどを見直した結果が、初勝利につながったのかなと思います」

 けがも乗り越えて、順調なスタートを切った戸田だが、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。愛知・高浜小1年の時に軟式チームで野球を始め、高校は地元を離れて、強豪・東海大菅生に進学。2年夏に甲子園に出場し、同校初のベスト4入りへ貢献した。秋からはエースナンバー「1」を背負ったが、右肘の故障により高校を中退。地元の愛知へ帰り、通信制のKTCおおぞら高等学院に再入学したが、野球からは距離を置いた。

 「甲子園のマウンドに立てたことは、野球人生の中で一番うれしかった思い出ですし、とても自信になりました。けれど、けがをしてしまって、もう野球はできないと思いました。地元に帰ってからも、リハビリに励みながら、トレーニングなどはしていたんですけど、1年半ほど野球から離れてしまったので。このままではもう無理だと思っていました」

 野球を続けたくても続けられず、諦めかけていた戸田の背中を押してくれたのは、高校中退後も気にかけてくれていた、東海大菅生の若林弘泰監督(55)だった。

 「僕が野球をできるところを探してくれていて、縁があって、徳島へ行くことになりました。当時はまた野球ができるんだって、本当にうれしかったので、徳島へ行くことに対しての不安などは全くなかったです。野球ができるならどこへでも行く覚悟でしたし、与えられた場所で結果を残して、お世話になった方に恩返しがしたいという思いしかなかったです」

 19年に四国IL・徳島へ入団すると、1年目から公式戦に出場。2年目となった昨季は、18試合に登板。防御率1・24、9勝5敗で最多勝、139奪三振で最多奪三振のタイトルを獲得し、ベストナインと年間MVPに輝き、晴れてプロ入りを果たした。

 「徳島では、練習量が多かったので体力面などを鍛えることができたと思います。とにかくプロに進むこと、それだけを考えてがむしゃらに投げていました。小さい頃に野球を始めてからずっと、プロには憧れを抱いていた。一時は野球を続けることすら諦めかけていましたけど、夢をかなえることができてうれしかったです」

 戸田と同じ徳島から巨人に入団した増田大輝は17年に支配下登録され、1軍でも活躍している。自身も1軍で活躍して独立リーグ出身のプロ野球選手を増やしていくことが目標だ。

 「独立出身の自分が活躍すれば、今以上に独立リーグの選手に注目が集まると思う。活躍して、独立からもっとプロ野球選手が誕生してくれたら、うれしいです。憧れの選手は、川上憲伸さん。川上さんのように気迫あふれるプレーでファンの皆さんを魅了できる選手になりたい。まずは支配下に上がらないと、1軍の試合に登板することができないので。2軍で結果を出して、支配下に上がれるように頑張りたいです」

 小さな巨人は大きな目標を胸に、まずは支配下登録を目指す。

 ◆戸田 懐生(とだ・なつき)2000年7月22日、愛知・高浜市生まれ。20歳。東京・東海大菅生高では2年夏に甲子園に出場し、同校初の4強入りに貢献も中退。KTCおおぞら高等学院を経て19年に四国IL・徳島に入団。昨季はMVP、最多勝、最多奪三振、ベストナインのタイトルを獲得し、20年育成ドラフト7位で巨人入り。170センチ、71キロ。右投右打。

巨人

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請