岩田寛「勝ってみたら長くはなかった」逆転で6年ぶりV 東北福祉大後輩の松山英樹から刺激

6年ぶりに優勝し、王冠トロフィーを重そうに抱える岩田
6年ぶりに優勝し、王冠トロフィーを重そうに抱える岩田

◆男子プロゴルフツアー 中日クラウンズ 最終日(2日、愛知・名古屋GC和合C=6557ヤード、パー70)

 2差7位で出た岩田寛(40)=フリー=が7バーディー、ボギーなしのベストスコア63をマーク。通算12アンダーで2015年7月の長嶋茂雄招待セガサミーカップ以来、通算3勝目を最終日逆転で飾った。米ツアーをともに転戦した東北福祉大の後輩・松山英樹(29)のアジア人初のマスターズ制覇に刺激を受け、6年ぶりの復活劇を演じた。19年大会覇者の宮本勝昌(48)=ハートンホテル=が3打差の2位。54ホール短縮競技のため、賞金加算は75%となる。

 不惑のショットメーカーが、難コースでの大混戦を一気に抜け出した。最終18番。岩田は1メートルのパーパットを沈めると、両拳を握って小さくガッツポーズした。「やれ、とよく言われるので。勝ってみたらそんなに長くはなかった。両親の実家が名古屋なのでこの大会で勝ててよかったです」。寡黙な男は、約6年ぶりのVを淡々と振り返った。

 不規則な風が吹く難条件下で、米ツアーで磨いた高精度なアイアンショットで切り裂いた。優勝争いの緊張の中、「左手が出てしまうので、そうならないように」と体から左腕が離れないスイングをすることに集中した。10番で残り99ヤードからウェッジで50センチにつけて伸ばして単独首位に立つと14番は3メートル、16番も1メートル弱につけて後続を引き離した。

 昨年12月のメジャー、日本シリーズJTカップ最終日。首位で迎えた17、18番のミスで1差2位と惜敗した。「悔し過ぎて、何週間か眠れなかった」。後輩の活躍も、再起への発奮材料となった。

 15年に入れ替え戦を経て米ツアー出場権を獲得。大学の後輩・松山とともに約2年転戦した。岩田は今年4月のメジャー、マスターズをテレビで観戦。「英樹が勝ったことでいろんな道を切り開いてくれた気がします」と情熱の炎が再点火された。松山が初めて師事した目沢秀憲コーチ(30)のレッスン動画も見まくり、「参考になった」と明かした。

 宮城・仙台市出身。10年前の東日本大震災では津波で愛車が流され、知人を亡くした。今も拠点は宮城県内で「練習しているところから、津波が来たところが見える」と故郷への熱い思いも不変だ。「たくさん勝ち星を重ねて皆の笑顔が見たい。また明日からトレーニングです」。その先に、松山の待つ米ツアーへの再挑戦の野望も抱いている。(榎本 友一)

 ◆岩田 寛(いわた・ひろし)1981年1月31日、仙台市生まれ。40歳。ゴルフはシニア認定プロの父・光男さんの影響で14歳から。仙台育英高から東北福祉大に進み、02年日本アマでベスト32。04年にプロ転向。06年に賞金ランク62位で初シードを獲得し、10年連続保持。17年からシードに復帰して通算3勝。15年全米プロ選手権第2Rでメジャー史上最少タイの「63」をマーク。177センチ、74キロ。血液型O。

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