【天皇賞・春 競馬のミカタ】19年菊花賞馬ワールドプレミアV 「最も強い馬」が伝統と格式を守った

ワールドプレミア(手前)はディープボンドを外からかわしてG1・2勝目
ワールドプレミア(手前)はディープボンドを外からかわしてG1・2勝目

◆第163回天皇賞・春・G1(5月2日、阪神・芝3200メートル、良)

 「格式の高いレースを勝てた―」。冷静にレースを振り返ったヒーロー、福永祐一騎手から出た言葉が響いた。

 そう、昭和から平成にかけて古馬にとって最高のタイトルは天皇賞だった。1981年にジャパンCが新設され、84年から秋の天皇賞が2000メートルに替わっても、3200メートルで行われる春の天皇賞は、歴史と伝統、そして格式を誇る一戦として、名勝負を繰り広げてきた。

 94年の3冠馬ナリタブライアンは翌年、故障のため出走しなかったが、ディープインパクト、オルフェーヴルは3冠に輝いた翌春の天皇賞に参戦した。名馬に欠かせないタイトルは天皇賞・春。それが普通だと思っていたが、今年は昨年の3冠馬コントレイルの姿がなかった。距離適性を考慮して、大阪杯を選んだ。至極当然、これが時代の流れだった。

 3月末にドバイ国際競走があり、2017年から4月上旬の大阪杯がG1昇格。先週行われた香港のクイーンエリザベス2世Cに4頭の日本馬が参戦した。中距離のG1レースに選択肢が増えた現状で、距離適性を無視して3200メートルに起用する関係者はいない。

 京都競馬場が改修中のため、1994年以来の阪神開催。G1ホースが2頭のみで、正直、寂しい顔ぶれだった。優勝馬ワールドプレミアは、2年前の菊花賞馬だった。27年前、好位から押し切ったビワハヤヒデも、前年に菊の大輪を咲かせていた。スピード化が進む現在では、真のステイヤーは存在しないのかもしれないが、「最も強い馬」が伝統と格式を守った。(編集委員・吉田 哲也)

ワールドプレミア(手前)はディープボンドを外からかわしてG1・2勝目
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