大卒ルーキーたちに芽生えた自覚がベガルタ仙台の光 DF真瀬拓海「1年目だからとかは関係ない」

ベガルタ仙台の1日・柏戦先発布陣
ベガルタ仙台の1日・柏戦先発布陣
柏に勝って518日ぶりのホーム戦勝利を喜ぶ仙台イレブン
柏に勝って518日ぶりのホーム戦勝利を喜ぶ仙台イレブン

 J1仙台は、1日の柏戦(1〇0)で、2019年11月以来518日ぶりの本拠地勝利、今季リーグ初勝利をつかんだ。4チームが降格となる厳しいシーズン、まだまだ苦しい状況であることは変わらないが、ホームで得たこの1勝は選手たちの自信と力に変わるはずだ。そして、巻き返しに向けてリーグ戦に絡んでいるルーキー3人の躍動と成長にも大きな期待を寄せたい。

 今季は大卒選手4人中3人が開幕からスタメン、ベンチメンバーに名を連ね、リーグ戦を戦っている。DF真瀬拓海(22)とMF加藤千尋(22)は主力の座をつかんでおり、開幕スタメンをつかんだDFアピアタウィア久(22)は直近の4試合先発から外れ、柏戦はベンチに入れなかったが、191センチの高さと鋭いスピード、時折見せる絶妙なパスで決定機を作るなど、魅力的なポテンシャルを秘めた選手だ。

 真瀬と加藤の2人は特に主力としてチームを引っ張っていくという強い覚悟が芽生えている。真瀬は「1年目だからとかは、関係ない。試合に出ている以上、チームを勝たせる存在にならないといけない」と話すなど、2人の最近のコメントからは、責任感とチームのために何とか結果を出したいという強い気持ちがにじみ出るようになってきた。

 ルーキーたちに強い自覚が生まれたきっかけとなった試合があった。4月7日のアウェー・徳島戦(0●1)。大卒ルーキー3人が今季初めて同時先発し、相手を押し込む場面を作りながらもネットを揺らせずセットプレーからの1失点に泣いた。真瀬は、攻守に奮闘を見せていたが、相手へのマークの甘さが失点に直結。リーグ戦初先発の加藤も果敢にゴールを目指したがネットを揺らす事はできなかった。アピアタウィアはこの日で早くも累積4枚目のイエローカードとなり、荒さも目立った。

 悔しい敗戦に表情をゆがめた3人だったが、手倉森監督の言葉に心を奮い立たせられた。真瀬は「テグさんからは(ルーキーたちに向けて)、『試合に出るだけで満足するんじゃなくて、出ている以上はベガルタを勝たせるくらいの活躍をしないと、この先(プロとして)やっていけないぞ』という言葉をもらった。そこから、気持ち的に変われたと思います」。

 そして、4月24日のアウェー・札幌戦(1●2)で大卒コンビ2人が関わり、得点を生んだ。前半16分、真瀬の今季初アシストとなるクロスから加藤のリーグ初ゴール&公式戦2戦連発弾。加藤は「目があった瞬間(ラストパスが)くると思った」と同期のあうんの呼吸で1点をもぎとった。指揮官は「物足りない部分があったので、ハッパをかけて、ようやく力強い発言ができるようになってきたのと同時に、点、アシストがとれてきた。プロになってから教わることも多いと思うんですけど、プロになるべくしてなったという覚悟があれば、最初から遠慮せずにやってほしかったというのがあった。もっと欲を出して欲しいなと思います」と目を細めていた。

 1日のホーム・柏戦では、真瀬と加藤が先発。攻守にハードワークして勝利に貢献した。試合後2人は、ほっとした表情と満面の笑顔で喜びを分かち合った。ここまで、ルーキーに背負わせているモノも正直大きかったように思うが、この1勝で2人の肩の力もいい意味で抜けて、よりよいパフォーマンスに結びついていきそうだ。

 この日ベンチから外れたアピアタウィアは、同じ流通経大卒の加藤と昨年ともに特別指定選手としてプレーした真瀬のことを強烈に意識し、日々切磋琢磨している。ピッチにたてなかった悔しさを糧にスタメン復帰への奮起へとつなげていくはずだ。J1の舞台で堂々と戦うルーキーたちの姿と成長は、今年の仙台の試合を見る点でおもしろく、応援したくなるポイントの一つ。1年目から、遠慮なくチームの中心選手へと駆け上がっていってほしい。(東北支局・小林 泰斗)

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