【有森裕子の本音】思い出のボルダーの平和願い

スポーツ報知
有森裕子

 3月22日、米コロラド州ボルダーにあるスーパーで銃の乱射事件が発生し、警察官1人を含む10人が亡くなられました。マラソンに興味を持っている方であれば、ボルダーという土地の名前にピンと来たのではないでしょうか。標高が高いことから高地トレーニングの合宿地として使われることが多く、世界中のランナーにとって“聖地”とされている場所。私もかつて住んでいたことがあります。

 元々、「米国内で住みたい街ナンバーワン」として名前が挙がるくらい治安も含めて暮らしやすい街。そこでの悲劇に、報道を見た時には驚きと同時にショックを受けました。現場のスーパーは、まさに行きつけだった店であり、また現在も日本人を含め知人が多く住んでいる街だからです。

 現役時代、現地で感じたのは自分がレースで力を出せたのはコーチなどの身近な人たちだけでなく、日常直接的ではなくとも街の人たちに支えられていたということ。五輪やパラリンピックのような世界規模の大会でも全国各地の自治体がホストタウンに登録をしているように、アスリートが競技だけでなく交流を通じて人間のつながりを作るというのは、社会におけるスポーツの大きな意義であると考えています。

 そこでこの度、追悼と感謝の気持ちと同時に、ボルダーの住民の方々の平和な未来と次の世代のアスリートたちが再び安心してトレーニングをしに行く場所となることを願って、4月20日からクラウドファンディングを始めました。東京マラソンレースディレクターの早野忠昭さんと私が代表発起人を務め、今月31日まで実施します。コロナ禍でそれぞれが大変な中ではありますが、少しでも賛同いただけるとうれしいです。(女子マラソン五輪メダリスト)

 ◆クラウドファンディング「BOULDER STRONG JAPAN」

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