3度の緊急事態宣言でエンタメ業界疲弊し限界「我々にはのたれ死ねと言うことか…」

 緊急事態宣言が発令された25日以降も「社会生活の維持に必要なもの」と判断し観客を入れての興行を続けることを決意していた浅草演芸ホールなど都内の4寄席が、5月1日から11日まで休業することが28日に発表された。寄席は大衆娯楽と伝統芸能を担い、かつ芸人の修業の場で「社会生活に必要なもの」と判断。無観客開催は不可能のため、感染防止対策を徹底し、有観客で興行を行っていた。

 最終的には休業要請を受け入れたが、寄席は「社会生活に必要なもの」という判断に、多くのエンタメ業界に勇気を与えた。その一方で、昨年に初めて発令された緊急事態宣言から約1年。行政からのエンタメに対する補償の少なさや、突然の緊急事態宣言施行に「我々にはのたれ死ねと言うことか…」と関係者たちは落胆を隠せない。

 5月12日以降も延期になるかもしれない緊急事態宣言の影響で、寄席と同じく観客と向かい合う演劇業界も難しいかじ取りを迫られている。特に苦心しているのはチケットの予約発売だ。「12日には解除されると信じて席を絞ってチケットを発売し続けるか、中止するのか。どちらにしても、払い戻しには対応しないといけないので、判断が難しい。お客さんのためにも迅速に判断しないといけませんが…」と頭を抱える。

 新型コロナウイルスに関して、情報が少なかった1度目とは異なり、2度の前例経験があった今回の緊急事態宣言だったが、映画関係者は「とりあえず強力な措置をしておこうというような印象を受けた」と明かす。特に映画館への対応については「クラスター事例がないのに、とりあえず休業させたと思ってしまう。大手シネコンはもちろん、ミニシアターも1回目の緊急事態宣言から、出費を惜しまず感染症対策をやっていた」と肩を落とす。

 音楽業界も厳しい状況が続く。特に演歌はアーティストの新曲をリリースしても、発売イベントをはじめとした広告・宣伝活動ができない状況が続いている。「演歌はご高齢の方も多く、集客をするわけにはいかない。オンラインイベントを行っても、見られないファンもいらっしゃる。いったい、どうしたらいいのやら…」と今の状況にやるせない思いを募らせた。

 エンタメは心の栄養。コロナ禍でエンタメを“不要不急”と定義するであれば、抜本的な補償は不可欠だ。(記者コラム)

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