分科会の尾身茂会長が五輪開催是非に異例の見解「議論をしっかりやるべき時期に来ている」

5者協議でIOCのバッハ会長(後方モニター)の発言を聞く橋本組織委会長(代表撮影)
5者協議でIOCのバッハ会長(後方モニター)の発言を聞く橋本組織委会長(代表撮影)

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長(71)が28日の衆院厚生労働委員会で、東京五輪・パラリンピック開催の是非を議論するべき時期に来ていると提言した。その一方で、五輪組織委、政府、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)はこの日、オンライン形式で5者協議を行い、強行開催の方針で一致。観客数の上限決定は6月まで先送りしたが、組織委の橋本聖子会長(56)は「無観客も覚悟している」と認めた。

 尾身会長は衆院厚労委で、立憲民主党・長妻昭氏の質問に答え、五輪開催の是非について「組織委員会など関係者が感染のレベルや医療の逼迫(ひっぱく)状況を踏まえて議論をしっかりやるべき時期に来ている」と述べた。政府から分科会に意見を求められたかとも問われ、正式な依頼ではないとした上で「個人的には2、3度あり、つい最近もあった」と明らかにした。

 これまで五輪に関して同会長は「答える立場にない」などと一線を画しており、踏み込んだ見解を口にするのは異例だ。政府に伝えた内容・意見として「世界では発展途上国も含めて感染が非常に広がっているのは事実。リスクは当然ある。感染の状況、医療の逼迫状況を考えた上で国民に知らせるのが組織委、関係者の責任ではないかと申し上げた」とも話した。

 提言がなされた一方で、この日の5者協議では強行開催の方針で合意した。観客上限の最終決定は6月に先送りされ、国内スポーツイベントの上限規制に準じることとなった。満員は事実上断念し、感染状況や会場の規模に応じ「50%」「2万人」「1万人」「5000人」「無観客」、さらには「販売済みのチケット購入者は全て入場可能」とする選択肢がある。橋本会長は「無観客という覚悟はあるが、状況が許せばより多くの観客に見ていただきたい」と明かした。

 東京ではこの日、新規感染者が925人を数えた。変異株の脅威にもさらされ、安心・安全の大前提となる看護師からも開催に反対する声が上がっている。「医師会の皆さん、看護師さんの力なくして開催はない。適切に精力的に、話し合いを続けていきたい」と橋本会長。IOCのバッハ会長は「日本国民は粘り強さや逆境でもへこたれない精神を示している。五輪を楽しみにしている」と前向きに語るが、精神力だけではいかんともしがたい状況にあるのもまた、事実だ。

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